メキシコのマリファナ事情・世界で大麻が合法なのはどこ?|嗜好用マリファナ解禁で麻薬戦争終結を狙う

メキシコと言えば麻薬と思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

しかし実際嗜好用大麻が合法なのはどこの国でしょうか?メキシコでは麻薬解禁を契機として、麻薬戦争を終結させる動きが高まっています。今回はメキシコの麻薬事情についての記事です。

嗜好用マリファナ解禁で麻薬戦争終結を狙う

オブラドール次期大統領の与党である国家再生運動(MORENA)は2018年、マリファナの嗜好目的使用を解禁する法案を上院に提出することを明らかにした。ロペスオブラドール氏を筆頭とした与党連合は、大統領選と同時に行われた議会選で大躍進し第一党となった。上下両院で過半数の議席を占めており、この法案の成立を目指している。

「これまでの政権が取った麻薬対策は失敗した。麻薬密輸組織絡みの暴力は国の最重要課題。別の視点を探さなければならない」とMORENAの議員はコメント。麻薬組織に打撃を与えるため、マリフアナを合法化すべきだと説明している。

北米大陸ではすでにアメリカ合衆国の一部の州と、カナダが解禁したところ。ヨーロッパでもオランダを始め嗜好用のマリファナの解禁がされ始めている。特にアメリカでは、医療目的や嗜好品として使用する場合のマリファナ合法化が進められている。2012年、ワシントン州の住民投票で使用が合法化されたのを皮切りに、2014年1月にはコロラド州で娯楽目的の大麻使用が解禁されるなど、その動きは全米に広がりつつある。

そしてメキシコ最高裁判所は10月末、マリファナの嗜好目的の使用禁止を違憲とする判決を下している。

しかし2019年になりこの計画は頓挫してしまった。

アメリカにおけるマリファナの自由化にともない、陰で暗躍していた麻薬カルテルは大打撃を受けることになった。

これから政府がどのような対応を取るか注目が集まるが、世論では嗜好用マリファナの解禁に向けて動きが高まっている。

麻薬戦争というイメージが強いメキシコでこれからどのように変化されるのか注目が集まる。

医療目的のマリファナはすでに合法

実は、2017から医療目的のマリファナの使用は合法とされているのは知っていましたか? 2017年4月28日にメキシコの下院で賛成301、反対88、棄権2で医療目的での大麻の使用が合法化されました。

このようにマリファナが医療目的で世界中で使用され始めている

刑法198条の改正が承認されたのである。そして、保健一般法において、大麻の医学的使用が認められるとした。

医療大麻として使用できるのはTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含む大麻である。また、この刑法改正によって、規定の基準を満たすという条件で大麻を医療目的として栽培できるようにもなった。(参照:「Sin Embargo」)

引用:ハーバービジネスオンライン

現在メキシコは世界で2番目の麻薬生産国であり、それの密輸で暗躍する麻薬カルテルが横行しています。コロンビアなどその他中南米の麻薬生産国の密輸ルートの中継点にあり、メキシコでは麻薬関連ビジネスが裏の第一産業とも指摘されてきました。その理由は、メキシコの北に麻薬消費大国であるアメリカ合衆国があるからなのです。

このような事情を踏まえ、以前からメキシコで大麻を合法化するのは難しいと言われてきました。国民の多くは大麻の合法化には反対でしたが、医療目的での大麻は賛成という意見が一般的な世論でした。そして、メキシコで2015年には個人消費を目的とした大麻の消費は合法であるという判決も下っていたのです。

ウルグアイにおいて薬局での大麻の販売が出来るように議会が承認したこともメキシコ議会に影響し、医療目的でのマリファナ使用は合法化されました。

マリファナ解禁で本当に麻薬カルテルは滅亡するのか

麻薬カルテルがドラッグを販売する相手は、アメリカが大きな割合を占めています。だから、アメリカ人が合法的にマリファナを入手できるようになれば、メキシコから入ってくる違法なドラッグには手を出さないだろうという推察を基に今回のマリファナ解禁が行われようとしています。

果たして、本当にそうなのでしょうか?

まずは、麻薬カルテルと麻薬戦争って何?と思った人のために解説します。

麻薬戦争・麻薬カルテルとは

メキシコ麻薬カルテルとは、主に自国内、北米、ラテン・アメリカなどの闇市場に向けてドラッグをさばく強大な犯罪組織のこと。しばしば、警察や政治家などを買収して犯罪行為に干渉させないようにしたり、干渉する者や組織の裏切り者には残虐極まりない制裁を加えることが日本でも有名。一説では準軍備レベルの武装があるとされ、主に買収できない警察、政治家、メキシコ軍と紛争を繰り広げている。

この争いがメキシコ麻薬戦争と呼ばれている。

実際にアメリカ合衆国・カリフォルニア州の例を見てみましょう。

FBIの1994年から2012年までの調査報告書によると、国境を接する州の中で、大麻法の改革により効果を最もあげたのはカリフォルニア州で、暴力犯罪が15%減。最も効果が少なかったのはアリゾナ州で、7%減だった。さらに、麻薬取引に関する殺人事件は41%減少という驚異的な数値を示した。この時期と大麻の合法化のタイミングが一致しているのは、偶然のことではないだろう。また、カルテルは大麻の他にもコカイン、ヘロイン、メタンフェタミンなどの薬物をアメリカに密輸しているが、違法大麻の市場は最も大きい。つまり、カルテルの市場も利益も大幅に減少しているのだ。

引用:fuze

このデータによると、アメリカでは犯罪が減り、そして麻薬カルテルによる大麻の利益が減っているだろうという推察がされています。

一方、こんな話もあります。皆さんはクレイジージャーニーに出ている丸山ゴンザレス氏はご存知ですか?

彼がNYの麻薬事情を調査したレポートがありました。

「アメリカはいまマリファナが合法化されつつあるじゃないですか。そんななかで、こうした裏のルートでマリファナを求める客が来ると思いますか?」
来るさ

自信満々に答える男の様子から、強がりでないことはわかる。

「なぜそう思うの?」
「この先、いやもう今だってマリファナはアメリカ人なら誰でも手に入れることができる。だからチャンスなんだよ。みんなが味を知ってるってことは、いいものとの違いもわかるってことだろ。だから品揃えやサービスがいい業者が選ばれる
「完全にビジネスマンの発想だね」

この男が示したのは、ドラッグに限らない商売の基本のようなものだ。

「しかも、合法になってしまえば堂々と販売できるんだ。これほど歓迎するべき状態があるか?ドラッグってのはアメリカに入ると金と同じような価値がつくんだ。品質とグラム単位で金額が決まる。いまのところ高値なのは希少性があるからさ。マリファナも安い、高いじゃなくて品質で選ぶ時代が来ると思うね」

販売する側としては、マリファナの合法化がもたらす利益は大きいと思っているようだ。しかも、生産地によってブランド化されるマリファナがあるならば、それも揃えておきたいという。値段で購買意欲が分かれるような商品ではないと予想しているのだ。

引用:現代ビジネス

いかがでしたか?麻薬が合法化されてももしかしたらしばらくは、もしくはずっと裏で麻薬を売る組織は亡くならないのかもしれませんね。

麻薬が合法な国はどこ?

このセクションでは、最近世界で合法化されている、マリファナ合法国を紹介します。

アメリカ合衆国ワシントン州・コロラド州

アメリカ・ワシントン州では、21歳以上であれば最高1オンス(約28g)の所持が認められています。コロラド州では原則として21歳以上の州の住民は1回1オンスの大麻購入が、住民以外は4分の1オンスの購入が合法化されましたアルコール販売を管轄していた部署が担当し、薬局などで合法的に購入することが可能です。

また、いつでもどこでも吸っていいわけではありません。煙草やアルコールと同じように、公共の場での吸引は禁止されていて違反チケットを切られます。自宅や友人宅などで歓談しながら吸うのがいいということでしょう。

ただし、コロラド州では、州内でも自治体ごとに対応が異なっていて、販売店の開業を許可していない市や、持ち込みを禁止しているエリアなどもあります。

オランダ

オランダは大麻合法国として知られています。大麻吸引者にとって天国的な場所であり、その使用者は住民の半数を超えるともいわれています。

ところが、実はオランダという国の法律では大麻は所持も使用も禁止。あくまで自治体ごとの判断で、個人使用であり5g以下のソフトドラッグであれば、起訴を猶予するというガイドラインを作っているのです。「違法だけど罰せられない」という状況です。

アムステルダムでは、大麻専用の「コーヒーショップ」があり、店内で煙草のように購入して、その場で吸引することができます。ただ、大麻だけでなくハードドラッグの常習者の増加などが社会問題化しているため、国全体としては取締りが強化される方向に向かっているようです。

スペイン

個人で栽培した大麻の個人使用は合法となっています。大麻の種子は合法的に販売されていて、手軽に入手ができます。ただこの方法だと、大麻を根気強く育てている人しか使用できないため、非営利で大麻を譲渡することを目的とする「大麻クラブ」が全土に広がっています。

現時点で、この「大麻クラブ」が合法かどうかははっきりと判決が出ていません。友人・知人などに招かれ、そこで栽培された大麻を無料で使用する分には合法という感じです。

ウルグアイ

世界初のフリー大麻国です。あくまで政府の監視下という条件はつきますが、生産・流通・販売が合法的に認められています。煙草やアルコールのように、専門機関を設立して政府がコントロールしながら、適量の使用を目指します。

事実上の解禁であり、旅行者にとって大麻を楽しめる国として注目が集まりました。

アルゼンチン・チリ

刑法上は非合法ですが、近年の最高裁判決によって、成人による大麻使用は、他人を傷つけない限り罰しないとされ、事実上の合法解禁と受けとられています

そのほかの国でも、不起訴対象、非犯罪化などと言葉を濁した「見込み合法」をとっている国は複数あります。

このように家庭で栽培する日が来るのだろうか

最後に

日本では無許可所持に最高懲役5年、営利目的栽培には懲役10年という重い刑罰がつく犯罪です。日本国籍保持者は、日本以外の国での嗜好も罪に問われますので十分にご注意下さい。

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