【世界遺産ツアー】メキシコの世界遺産を全て徹底紹介!~南部編~

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皆さん、突然ですが問題です。

この地球上に世界遺産は何件あるでしょうか?

筆者は現在、世界遺産検定の勉強をしているのですが、その際に調べてみたところ…。
2018年現在で何と1,092件、その内メキシコには32件も登録されているとの事!!

超有名な古代文明の遺跡から、「え?これも世界遺産!?」と驚くような場所まで。
今回から3回に渡って、メキシコにある全遺産を徹底解説しちゃいます!

メヒサボ
UNESCOとその関連機関が定める世界遺産には

  • 建築物や遺跡がメインの文化遺産
  • 地球の生成や生態系の進化を示す自然遺産
  • 文化と自然、両方の特徴を持つ複合遺産

の3種類があるよ!

まずはユカタン半島から!

チチェン・イツァの古代遺跡 (1988年登録・文化遺産)

ユカタン半島北部にあるこの遺跡は10~12世紀に栄えた、マヤ文明・トルテカ文明の2つが見事に融合した都市遺跡です。
マヤの言葉でチチェンは「泉のほとり」、イツァは「魔術師」を意味するそう。

1885年にこの地を購入した、アメリカ人アマチュア考古学者トンプソンが20世紀初頭、敷地内のセノーテを中心に調査してみたら色々な財宝が見つかったそうな。
第二次世界大戦後にはメキシコ政府の管轄下に入り、現在ではUNAM(メキシコ国立自治大学)の研究チームが発掘調査を行っています。

遺跡内の建築物は作られた時代によって、大きく2分されます。

10世紀以前に作られた『旧チチェン』の建物で代表的なのは『カラコル』。
切石を積み上げ、モザイクの文様を彫ったマヤの建築様式、プウク様式が特徴的。

古代の天体観測所として建てられたカラコル。
円刑の塔の窓には、夏至と冬至の日だけ日が差し込みます。

photo by Paul Simpson

10世紀以後に作られた『新チチェン』の代表的な建物は『エル・カスティーリョ』。
こちらは9層のピラミッドで、四方から伸びる91段の階段+最上部の1段で1年を(91×4+1=365日)、52のレリーフでマヤの暦を表現しているそうな。
最上部には文化や農耕の神、ククルカンを祀る神殿が建てられています。

階段部分には春分・秋分の日のみ、ククルカンを表す蛇のような影が出来ます。

photo by Daniel Mennerich

天文学に長けていたという、マヤ族の本気を垣間見ることが出来る遺跡です。

ウシュマルの古代遺跡 (1996年登録・文化遺産)

こちらも7~10世紀、マヤ文明の後期に政治・経済の中心として発展した都市遺跡です。
最盛期には約25,000人がここに居住していたそうな。
『ウシュマル』とは、古代マヤの言葉で「3度に渡って建てられた街」という意味です。

チチェン・イツァでも見られる、プウク様式が特徴的な建築物が集まっています。
その中でも特に『魔法使いのピラミッド』は超有名。
魔法使いの老婆が温めた卵から生まれた小人が、たった一晩のうちにこのピラミッドを作り上げたという伝説が語り継がれています。

高さは何と約37m、5層からなる『魔法使いのピラミッド』。
マヤの様式に他民族の技術が融合した建造物です。

photo by Hagens-world

シアン・カーン自然保護区 (1987年登録・自然遺産)

湿地帯やサンゴ礁、マングローブが並ぶ保護区で、広さは何と東京都の2倍以上!
保護区内には川がなく、セノーテが重要な水源となっているそう。

保護区内では「幻の鳥」ケツァルやマナティなどの動物、数千を超える蝶や約1,200種に及ぶ植生を観察する事が出来、エコツアーも行われています。
シュノーケルや川下りも体験できる、テーマパークのような世界遺産です。

メヒサボ
セノーテ(Cenote)とは、石灰岩地帯の鍾乳洞に地下水が溜まって出来た、小さな湖のようなもの。
ユカタン半島の観光スポットとしても有名だよ!

マングローブの広がる湿地帯では、泳いだりも出来ます。

photo by Ronald Woan

カラクムルの古代マヤ都市と熱帯雨林群

ユカタン半島の付け根、カンペチェ州にある古代マヤの遺跡。
その規模はグアテマラにあるマヤ文明最大の遺跡、ティカルと同じ位と言われています。

紀元前4世紀から10世紀にかけて、「蛇(カーン)王朝」と呼ばれる、蛇の紋章文字をもつ国の首都としての機能を果たしてきたこの場所。
1994年からはUNAMの研究者達が、大規模な調査プロジェクトを実施しています。

その一方で、遺跡を囲むジャングル地帯は自然保護区に指定されていて、ジャガーやピューマを含む多くの動植物が生息しています。
2002年に文化遺産として登録を受けた後、2014年に登録範囲を拡大しメキシコで唯一の複合遺産として再登録されました。

初期マヤの生活や文化を知るには欠かせない遺産。
未だにごく一部しか発掘・測量がされていないとの事。

photo by Daniel Mennerich

歴史的要塞都市カンペチェ (1999年登録・文化遺産)

ユカタン半島南西部、メキシコ湾岸にある都市カンペチェ。
元々はマヤの古代都市「カンペチュ」でしたが、16世紀にスペイン人が入植すると元々あった都の上に街が築かれ、本国と植民地間の貿易を支える港街として発展していきました。

17世紀には植民地中から街に集まってくる富を狙って、海賊が近海域を襲撃するように。
街を囲む高さ8m、全長2kmもの大きさを誇る要塞は、港や居住区を守るために建設されました。
要塞の一部は、当時の船舶や武器を集めた博物館として現在も使用されています。

夜景の美しいカンペチェの市街地。

photo by Comisión Mexicana de Filmaciones
 

次はオアハカ・チアパス・ベラクルス!

トラコタルパンの歴史地区 (1998年登録・文化遺産)

メキシコ南部、ベラクルス州の南部にあるトラコタルパン。
17~18世紀に、内陸部の都市とメキシコ湾岸の地域の中継地点として栄えた都市です。
街の名前は、先住民の言語で「水に囲まれた土地」を意味するそうな。

1790年に大火事が発生してから、街では防災対策として沢山のヤシの木が植えられてきました。
古くから残存する色とりどりなコロニアル調の町並みも相まって、トロピカルな雰囲気のある世界遺産です。

街のポップな色遣いは、カリブ海の島国を彷彿とさせます。

photo by Antonio Alvadaro

パレンケの古代遺跡と国立公園 (1987年登録・文化遺産)

チアパス州にあるパレンケは、中米で初めて見つかった「ピラミッドの下に墓がある」マヤ文明の遺跡です。
4世紀頃から建設が進み、6~8世紀には最盛期を迎えたこの都市。
10世紀頃に廃墟となってからは、1940年代まで密林の中に隠されていました。

「マヤ文明のピラミッド=神殿」という仮設を打ち崩したピラミッドに埋葬されていたのは、7世紀頃この都市に君臨していた王、パカルだと言われています。
遺骨と共に石棺に納められていた翡翠の仮面は、現在はメキシコシティの国立人類学博物館に展示されています。

この仮面、国立人類学博物館を訪れたことのある人は、一度は目にした事があるはず。

photo by Travis

オアハカ歴史地区とモンテ・アルバン (1987年登録・文化遺産)

こちらの記事で紹介したオアハカ市内と、遺跡モンテ・アルバンも実は世界遺産。
1521年に植民都市として建設が始まり、古くはAntequera(アンテケラ)と呼ばれていました。
現在の名称オアハカは、ナワトル語で「アカシアの木がある場所」という意味の語が訛ったもの。

街のシンボル、サント・ドミンゴ教会は1571年から150年以上の年月をかけて建設されました。
一方のモンテ・アルバンは紀元前500年頃から、サポテコ族によって祭祀センターとして使用されていた場所で、その後同地を侵略したミシュテコ族は墓所としてこの遺跡を使っていました。

山の上に立つモンテ・アルバンからは、オアハカの盆地を見渡すことが出来ます。

 

ヤグルとミトラの先史洞窟 (2010年登録・文化遺産)

ヤグルとミトラは、オアハカ市内から車で1時間ほどのトラコルーラ盆地にある洞窟遺跡。
先史時代の洞窟と岩穴式住居群が点在し、狩猟民族が農耕民族となっていく過程を描いた壁画なども残されています。

洞窟からはヒョウタンやカボチャ等の植物を栽培・収集した跡や、メキシコ初のトウモロコシ栽培の証拠が見つかっています。
調査の結果、遺されていた種子が紀元前8000頃のものだと分かり、北米の植物栽培の起源の地として重要視されるようになりました。

ミトラの遺跡には幾何学模様が刻まれており、それぞれに意味があるといわれています。

photo by Ronald Woan

メキシコシティのちょっと南には、この3遺産!

プエブラ歴史地区 (1987年登録・文化遺産)

メキシコシティから車で3時間、ポポカテペトル山麓の中腹(約2,100M)に位置するプエブラ。
1521年にスペイン人入植者によって築かれたこの街は、植民時代からの首都メキシコシティとカリブ海岸にある港町とを繋ぐ中継地点として、重要な役割を果たしてきました。

街の中心地に築かれたロサリオの聖母礼拝堂(Capilla de Nuestra Señora de Rosario)は、メキシコに築かれたバロック建築の傑作だと言われています。

メヒサボ
バロック建築とは、14世紀終盤にヨーロッパで生まれた建築様式だよ!
過剰な装飾や陰影の強調、アーチや曲線の多用が特徴なんだ。

メキシコ国内だと、メキシコシティのカテドラルやオアハカのサント・ドミンゴ教会なんかが同じくバロック様式の建築物だよ!

青空に映えるバロック建築の数々。

photo by Russ Bowling

プエブラは美食の街・「タラベラ焼き」の街としても有名です。

食べ物では唐辛子やナッツ、野菜などを煮てすり潰したソース「モレ・ポブラーノ」が名物料理。
「タラベラ焼き」はスペインの青い素焼きタイル、アズレージョに起源を持つ陶器で、鮮やかで細かな彩色が特に女性からの人気を集めています。

白ゴマがかかっているのが、モレ・ポブラーノの特徴。

photo by Jay Galvin

ポポカテペトル山麓の16世紀初頭の修道院群 (1994年登録・文化遺産)

プエブラのあるポポカテぺトル山麓には、スペインによるアステカ帝国征服以降、先住民族をキリスト教徒に改宗させるため、多くのカトリック修道士がやって来ました。
彼らは野外で宗教儀式を行う先住民族の習慣に倣い、キリスト教の儀式も野外で実施できるようパティオが付いた修道院を設置したそうな。

メキシコ独立後は国に接収されて、病院や学校等他の用途でも使用されていました。
現在、遺産登録されている14の修道院の内、10軒が宗教施設としての機能を果たしています。

実は5000m級の活火山であるポポカトペトル山。
UFOの目撃情報が多数報告されているんだとか。

photo by Russ Bowling

ソチカルコの古代遺跡地帯 (1999年登録・文化遺産)

メキシコシティから車で1~2時間ほどの街、クエルナバカにあるソチカルコの古代遺跡。
650~900年頃に栄えたこの街は、代表的な建造物である神殿が華やかに装飾されていたことから、ナワトル語で「花々のある所」という意味の名を付けられました。

多くの建造物は、メキシコシティ近郊にあるテオティワカン遺跡と同じタルー・タブレロ様式で建てられています。
また建物の装飾やそのモチーフには、アステカ帝国を築いた民族やマヤ、サポテコなど様々な民族の特徴が見られるといわれています。

メヒサボ
タルー・タブレロ様式とは、テオティワカン遺跡の「太陽のピラミッド」などでも見られる建築様式だよ。
「タルー」と呼ばれる斜めの石壁と、「タブレロ」と呼ばれる垂直な石壁を交互に積み上げていくんだ。

タルー・タブレロ様式で建てられたことが良く分かる建造物。

photo by Martin Garcia

次回は…

今回の記事では、メキシコシティ以南の12遺産をご紹介しました。
プエブラやチチェン・イツァなど有名観光地から聞き慣れない場所まで、メキシコ国内にはバラエティ豊かな世界遺産が点在しています。

次回はメキシコシティを中心とした中部編。
日本人に人気の観光スポットから、「こんな世界遺産もあるの!?」といった場所まで完全解説するのでお楽しみに!

参考文献: NPO法人 世界遺産アカデミー監修 『世界遺産大辞典<下>』(2017) マイナビ出版

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