NAFTA再交渉、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)締結!|日本への影響とは

北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉。 日米物品貿易協定(TAG)にも影響か?

概要

トランプ大統領は日本時間10月1日午後に、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に関してカナダと合意に達し、「NAFTA2.0」は3か国で11月末署名を目指すことになった(メキシコとは8月にNAFTA見直しで合意)。

新協定の名称は「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」。 その内容は、名称の変更通り自由貿易の色が薄れたものであった。

しかし、トランプ政権は直前になって譲歩をしたため、協定文はトランプ大統領が当初主張していた強硬な米国案の多くは採用されず、全体的には大きな修正はなかった。つまり、現行のNAFTAが存続し、あくまでも大幅な改悪の内容が盛り込まれなかった。

新協定USMCAは「化粧程度の修正」(Cosmetic Change)に留まったと表現され、多数の専門家は評価をしている。その中身は現行NAFTAにトランプ大統領が離脱したTPPの内容を合わせたものと一部メディアは報道した。

自動車:輸入制限を設ける

トランプ政権は、自動車への25%の追加関税の適用除外要件を明記。 カナダ、メキシコからの乗用車輸入にそれぞれ年260万台の数量枠を設け、それを超える輸入に対しては25%の追加関税を適用するとした。 ただし米国で人気が高い小型トラックは輸入制限の対象外とした。

自動車部品に関しては、対カナダ年324億ドル(約3兆7千億円)、対メキシコ年1080億ドル(約12兆3千億円)の輸入枠を設ける。 上記輸入枠については現行の輸入量よりも多い数量設定となっており、両国に生産拠点を移転してきた米メーカーに一定の配慮を見せた。 米国、メキシコ両国は自動車貿易等再交渉にあたって大筋合意に達している。

関税の負担なしで輸入可能となる条件として、域内の部材調達比率を62.5%から75%以上に引き上げることとなった(「原産地規則」)。

また、部材の40~45%は時給16ドル(約1800円)以上の地域でつくるよう求める(「賃金条項」)。

トランプ大統領は、NAFTAから離脱しカナダからの輸入車に高関税をかけると圧力をかけながらカナダに譲歩を迫ってきた。カナダは合意の条件として関税をかけないと確約するよう米国に要求。米政権は譲渡案としてに数量制限を受け入れるよう要求し、今回の合意に至った

カナダの酪農農業:国内市場保護策の一部廃止

乳製品に関しては、カナダが国内市場保護策の一部廃止などで譲歩。 カナダは米国向けに粉ミルクやチーズなどを低税率で輸入できる割当枠も再設定した(環太平洋経済連携協定(TPP)で両国が以前合意した内容に近い)。

ただし、米国は最終的にカナダが供給管理制度を維持することで譲歩して合意。(カナダの主張を採用した。)

NAFTA19条

NAFTA第19章で書かれている、加盟国間のAD/CVD紛争解決の仕組み)は、イトハイザーUSTR代表が最後まで撤廃に拘っていたが、残すことで合意。(カナダの主張を採用)

為替条項

相手国の通貨安誘導を防ぐ「為替条項」も新たに導入、「為替介入を含む競争的な通貨切り下げを自制する」旨が明記されることとなった。 互いの執行状況を監視し合う協議の枠組みも設ける。

サンセット条項

協定は16年間有効で、原則6年ごとに再評価がなされる。 各国が次の16年間の更新意思を示さないと失効する「サンセット条項」も盛り込んだ。

サンセット条項とは、協定にとどまりたいとの明確な意志を5年ごとに再確認することを首脳に義務づけるもの。ロス長官の発言を受け、相手国のカナダとメキシコからは、協定を巡る不透明感が企業の投資を阻害するなどとして批判の声が上がっていた。

米政府高官によると、メキシコのペニャニエト大統領が退任する11月末に同氏とトランプ氏、カナダのトルドー首相の3首脳で新協定に署名する見通し。 その後各国議会での批准手続きに入る。 NAFTA再交渉を受け、日本政府内には米国との物品貿易協定(TAG)締結に向けた交渉にも影響を及ぼすだろうとの見方が出ている

2019年3月14日以降

施工法案提出

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