メキシコ流の年越しは12粒のブドウでしょ!
日本では大みそかには年越しそばを食べるという文化がありますよね。
スペインを始めとしたメキシコなどのスペイン語圏の国では新年を迎える時に12粒のブドウを食べる風習があります。
そこで今回は、スペイン語圏でブドウを食べることについて皆さんにお話しします。
スペイン語で大みそかの事はNoche Viejaと言い、年越しに食べるブドウをdoce uvasといいます。
これは一般的に「幸運を呼ぶ12粒のブドウ」と呼ばれ、新年の12ヶ月を象徴しそれぞれの月の幸運を祈るという意味があり、みごと12粒食べ切れたら新年に願い事がかなうと言われています。(諸説あります)
ここで食べられるブドウはマスカットのような白いブドウで、マスカットよりは小粒です。
スペインではマドリードのプエルタ・デル・ソルにある時計台の鐘が12回鳴るのが全国にテレビで生中継され、国民はお茶の間でテレビの鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べるのです。
どうしてブドウを年越しに食べるの?
スペインで大晦日に12粒のブドウを食べる風習は100年以上続いているそうですが、ではどうしてブドウだったのでしょうか。
一般的に知られているのは、1909年にブドウが大豊作で余ってしまったので、ブドウ農家が「好運を呼ぶ12粒のブドウ」と称して人々に振る舞ったのが始まりという説です。
「鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べると新年は幸せになれる」という作り話が徐々に広まって全国に知られ、ブドウ農家がさらに宣伝に力を入れたことで定着したのだとか。
日本の土用の丑の日やバレンタインデーのチョコレートみたいに、企業戦略?の一つだったのかもしれないですね。
もう一つの説は、もっと前、宗教的な理由から始まったというもの。
キリスト教では、ブドウは植物信仰の初期の名残を残しているといわれています。 聖書の中でブドウは「神の象徴」とされ、一般的には「豊穣」という意味で用いられることもあるのです。だから12粒のブドウを食べると幸運を呼ぶと言われているのです。
これは17世紀以前より行われているとされ、そのためにメキシコやその他ラテンアメリカ諸国、フィリピンなどの国でも食べられているといます。
確かに時系列的には納得できるので、両方とも説としては有力のようです。
個人的には二つの説両方とも正しいのかな…とも思ったりします。伝統や習慣はいつのまにか薄くなったりするもの。これらの伝統は弱まったりする中で、企業の戦略等もあったのかもしれません。。
ではメキシコの年越しはいかに?
それではメキシコではどのように年越しを過ごすのでしょうか。
もちろんメキシコでもブドウを食べて過ごす家庭が多いよう。メキシコもカトリックが多い国ですからね。本来ならカテドラルや教会で12時の鐘が鳴るたびに1粒ずつブドウ食べ、心の中で願い事をいいます。
しかしその緩さはさすがメキシコ。
時間にきっちり合わせないで先に食べてしまったりすることもあるようです。しかし、しゃべりながらではなく、黙ったまま念じながら食べることは守る人が多いとのこと。
葡萄を食べ終わると新年を祝うパーティーが始まることが多く、そのまま朝方まで盛り上がるのはメキシコ流です。
最後に
いかがでしたか?
スペインでの年越しには12粒のぶどうが欠かせないということが分かっていただけたでしょうか?
このぶどうの風習は古くはフランスに始まり、現在ではスペインだけでなくメキシコなどのラテンアメリカの一部、フィリピンでも行われるほど世界で行われる伝統となりました。
ちなみに、日本では年末と三が日は年末年始休暇ですが、メキシコにはあまりそのような文化はありません。
メキシコでは1月1日は休みをとっている店やオフィスが多いですが、1月2日から通常業務を開始するところが多いです。
そのためメキシコにはお正月感はあまりないのです。
メキシコのクリスマス~年明けはとても長いのです。
- 12月16日〜24日:ポサダ
- 12月24日:キリスト生誕前夜
- 12月25日:キリスト生誕日
- 12月31日〜1月1日:年越し、元旦
- 1月6日:東方の三博士の日
メキシコでは東方の三博士(Reyes Magos)の日というのが重要な日です。子供たちにとってプレゼントをもらえる日にあたるからです。
詳しくは下記の記事も併せてご覧ください。