米トランプ大統領ついに国境の壁建設へ?|非常事態宣言も示唆

トランプ大統領国境の壁建設のために非常事態宣言を示唆

アメリカのトランプ大統領は4日、メキシコ国境沿いの壁建設のために国家非常事態を宣言し、議会の承認なしで建設費用を捻出することを検討していると明らかにしました

トランプ大統領は4日に民主党幹部と会合を行い、そのあとの会見で、政府機関の一部閉鎖について「何年でも閉鎖する」と発言し、メキシコ国境沿いの壁の建設費用が予算案に盛りこまれない限りは閉鎖を続けるという強硬姿勢を貫くことをアピールしました。

そしてトランプ大統領は、国家の非常事態を宣言し、議会の承認がなくても自らの権限で建設費用を捻出することを検討していると明らかにしました。

「国家非常宣言を検討したことはある。国家非常事態を宣言し、すみやかに壁を建設することもできるし、そうするかもしれない」と表明しています。

壁の建設費は新しい貿易協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」で米国に雇用が戻ってくることなどを通じて「メキシコが払う」との持論を一貫して展開しています。

また、民主党は3日、下院で壁建設費を含まないつなぎ予算案を通したが、トランプ氏は署名に拒否する構えで、政府閉鎖解除のメドは立っていません。ペンス副大統領ら政府高官が閉鎖されている政府機関に対する解決策を週末に協議することを明らかにしました。

 

国境の壁建設のサンプルとは?

トランプ大統領の就任から1年経過しても、いまだにメキシコとの国境の壁は建設に至っていませんが、建設計画は水面下で進んでおり、テスト段階にある8つのサンプルが存在しています。

メヒサボ
多くの専門家やメディアから「役に立たない」として批判されてきた壁建設ですが、一方で、実際に国境付近で働くパトロールからは、「壁は機能する」という声もあがっています。

 

今まで建てられていたフェンスの有用性

1980年代後半、メキシコからの違法な往来があったことからサンディエゴの国境に46マイル(約74km)のフェンスが立てられました。当時、逮捕された不法移民の数は年間62万人に達していたのですが、2017年に逮捕された不法移民の数は2万6000人ほどであり、95%減となっています。2018年現在のフェンスの長さは60マイル(約96km)に伸びており、最も人口が多いエリアではフェンスでなく約1.8メートルのスチール製マットと有刺鉄線が使われています。

また、サンディエゴにフェンスが立てられると一度は移民は東に移動し、アリゾナ州周辺の不法移民の数が増加したのですが、その後、126マイル(約202km)のフェンスが建てられ、アリゾナ州周辺の不法移民も2017年には1万2000件ほどとなりました。これらのことから、現場で働く人々は「フェンスは大きな違いを生み出す」と語っています。

引用:Gigazine

 

基本的に国境を渡る方法は二つあります。

  • フェンスを破る
  • トンネルをくぐる

の二つです。そして渡航の時は、コヨーテ(Coyote)と呼ばれる、国境を渡る仲介業者が存在します。そのコヨーテが非合法移民の渡航の手伝いをしているのです。

 

国境がフェンスだったころの渡航方法
  1. メキシコ側の国境前の砂漠を2日間歩いて渡る
  2. 金属のフェンスを切る
  3. 国境を渡った後、数キロ、向こうのコヨーテとの待ち合わせの場所まで進む
  4. 車でピックアップしてもらう

このように、今まで非合法移民の入国を防ごうとしても、国境警備の数と非合法移民の数に差がありすぎるため、どうしても見逃してしまう非合法移民がいました。

 

非合法移民の壁を非合法移民が建設?

今も一部分では壁は建設されていますが、トランプ大統領はそれを国境全て、3100キロにものぼる距離の建設を目指しています。

この壁の建設は数十年間で最も巨大なインフラ計画の一つで、おそらく数百億ドルかかり、建設会社にとって恩恵となる見通しです。

壁建設にはいくらかかるのでしょうか。

米上院共和党トップのマコネル院内総務が明らかにした推計では、建設費を120億~150億ドル(約1・35兆~1・69兆円)と見積もる一方で、ニューヨーク・タイムズは、マサチューセッツ工科大の研究者の話として、高さ15メートル、延長約1600キロの壁を鋼鉄とコンクリートで造った場合、約400億ドル(約4・5兆円)かかるとの試算を紹介している。

そしてもう一つ懸念されるのは、壁を作る労働力です。

アメリカの有力紙であるニューヨーク・タイムズでは、メキシコと国境を接するテキサス州の建設労働者の半数は不法移民の労働者だとする報告書に基づき、壁建設の労働力を不法移民に頼ることになりかねないという皮肉な見通しを明らかにしたのです。

さらにニューヨーク・タイムズは、巨額支出が向かう川下にも目を向けています。

なんと、セメントの需要で結局利益を得るのはメキシコ企業になる可能性もあるといいます。

トランプ氏は壁建設の費用をメキシコに負担させるとするものの、仮にそのカネがメキシコ側へ還流するなら、壁の「意義」そのものが問われることなりそうですね。

 

 

トランプ大統領が目指す壁は近未来?!

そしてさらに、トランプ大統領の計画する壁は物理的な壁のみならず、光ファイバーセンサーケーブルやレーダー、ライト、道などをそなえたシステムであり、海から陸地へと伸びるものだといいます

このような壁がどのように機能するのかは、現場の人々でもまだわからないようです。

また、はいあがり防止の処理がされているため上って越えることは不可能だとのこと。実際に試しに上った人は降りることができず、クレーンで下ろしてもらうしかなかったといいます。

コンクリートをベースにした壁もデザインされていますが、コンクリートは破壊されやすく補修の必要が出てくることから、候補として有力ではない様子。

ニューメキシコ当局は密輸業者が時間をかけてコンクリートの壁を壊すのではないかと考えているため、まだまだ検討中だそうです。

 

アメリカを騒がせているホンジュラス移民問題

この国境の壁問題が再燃し、アメリカの話題になっているのはホンジュラス移民問題に原因があります。

今アメリカ合衆国を含め世界を騒がせているホンジュラスの移民問題。

移民キャラバンの移動開始からおよそ2ヵ月が経ち、多くの集団は国境に到着しました。トランプ大統領は軍を派遣しどのような対応を取るのか、この移民問題の原因は何なのか、解決方法はあるのか、すべてをまとめました記事がしたいにありますので読んでみて下さい。

 

アイキャッチ画像(2019年 ロイター/Jim Young)

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