もう3月。いよいよ日本列島に桜の開花前線が訪れる時期ですね!
メキシコは実は3月~5月、つまりこの乾季の時期が1年で一番暑い季節。
そして、地球の反対側であるメキシコにもこの時期から咲き始める素敵な花、そして素敵な物語があるんです。
今回は、メキシコで楽しむことができる青い桜・ハカランダの物語と、ハカランダを楽しめるスポットをご紹介します!

メキシコにハカランダを伝えたのは日本人!
皆さん、今やメキシコの春の風物詩ともいえるハカランダですが、 実はこれを植えたのは日本人で、最初はサクラを植えようとしていたのをご存知ですか?

桜にまつわるこんな話を メキシコ人の友人から教えてもらったことがあります。
ーそれは今から100年ほど前のこと。
日本からアメリカに桜の樹3000本が寄贈されました。
当時、パスクアル・オルティスルビオ大統領の要請により、両国の友好の証として、実はメキシコでも桜を植えようとする試みがありました。市内の主要大通りに沿って桜の木を植えようとしたのです。
そこで日本の外務省は、既にメキシコに定住していた日本人移住者松本辰五郎氏に、桜を植えて育つのかどうか意見を求めることにしました。
この松本辰五郎さんはメキシコ移住のパイオニアとも呼べる人物で、日本でも庭師として第一線で活躍していました。
造園に精通していた辰五郎さんは、メキシコシティーでは桜が育ち花が咲く可能性は低いと判断しました。
なぜなら、そもそも桜が開花するためには冬から春にかけて寒暖差の厳しい気候帯でないと咲くには難しかったからなのです。
彼の判断により桜の移植は取りやめになりましたが、その代わりに彼が提案したのは、 なんと原産地がブラジルの 「ハカランダ」と呼ばれる木を植えることでした。

ハカランダという花は桜と異なり、雨がほとんど降らなくても問題がなく、 それに伴って花が咲いている時期も長くなるためメキシコの気候に適していました。
辰五郎さんのアドバイスによってメキシコの市内の大通りにハカランダが植えられるようになり、年月が経つにつれてメキシコ中に広がっていきました。
そして、現在では毎年この時期になるとメキシコ中の数多くの町で 日本の桜のようにハカランダの樹が傍を通る人たちの目を楽しませていますが、 これは1人の日本人庭師の気転と行動力によるものだったのです。

見てください、これがハカランダです。独立記念塔、アンヘルからレフォルマ通りを。このように現在ハカランダが道に彩を与えてくれています。ぜひ見に行ってみてください。
遠く離れた国のメキシコで新たな風物詩を築き上げた日本人の存在、 そして、このお話を現地のメキシコ人から聞かせてもらい、お互いの国の距離がより近くに感じられたエピソードでした。
ハカランダを楽しめるスポットはどこ?おすすめ3選をご紹介!
さてさて、そんな日本とメキシコの絆を感じることができる心温まるエピソードでしたが、そんなハカランダ、どこで楽しめるでしょうか?
メヒナビお勧めの「メキシコ風・花見スポット」をご紹介します!
チャプルテペック公園

メキシコシティの中心地に位置する、チャプルテペック公園。周辺には、チャプルテペック城、国立人類学博物館と多くの観光スポットがある一方、敷地内には池などもある市民の憩いの場。
そんなチャプルテペック公園はハカランダの名所。晴れた昼にピクニックなんてのも、のんびり過ごせそうで日本の花見のような雰囲気を楽しむことができる事間違いなし!
べジャスアルテス宮殿

続いてはこちら。メキシコシティでの劇場といえばセントロにあるベジャス・アルテス宮殿!
実はよく見られている表側ではなく、脇側と裏側にハカランダが植えられています。
ベジャス・アルテス宮殿の横には公園もあります。イベント時には出店もやっていますので、こちらを訪れた際はついでにチェックしてみてはいかが?
そして、筆者のおすすめはベジャス・アルテス宮殿の横、メトロの入り口にあります。

レフォルマ通り

出典:MXCITY
最後はこちら、メキシコシティの目抜き通りのレフォルマ通りです。
先程ご紹介した、チャプルテペック公園から独立記念塔に向かい真っ直ぐに伸びるレフォルマ大通り。
広い通りの脇には、きれいにハカランダが一面咲いています。
そしてこのレフォルマ通りのおすすめポイントは、日曜日はサイクリングを楽しむ人が多く訪れること。
ぜひ日曜日にはサイクリングに乗りながらのハカランダ観賞はいかがでしょうか?
最後に
いかがでしたでしょうか?
何気なく咲いている花はなんと日本人のおかげだったのです。これからハカランダを見た時にはそんなことをふと思い出してみるとより楽しめるのではないでしょうか?
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