新型コロナによるメキシコでの経済活動再開はどうなる?
メキシコでの新型コロナウイルスはますます拡大しています。
メキシコ政府は当初、新型コロナウイルスのピークは5月8日~10日頃になるだろうと予想されていました。しかし、現在も日に日に一日の感染者は増え続けています。
また、メキシコ一部報道では、終息は来年4月頃と新たな予測が発表されました。
4月中は感染者は10%の推移で増加しており、5月になってからは日に5%増ほど感染者が毎日増えております。
今までメキシコでとられていたキャンペーンは「健全な距離の維持キャンペーン(Jornada Nacional de Sana Distancia)」。
これが5月末で終了となり、さらに5月18日からは活動再開に向けた指針が発表されました。
【6月1日から】
第3段階:各地域における活動再開について「信号情報」を導入。各地の「信号色」に基づいた規制解除を推奨する。衛生措置については引き続き実施する。
8月第1週の経済活動はどうなる?
今まで6月は全ての州が赤色に染められていました。つまり、6月に入っていてもメキシコの対策は以前のまま、だったのです。
7月の第4週ではオレンジ色に移行した州が増えてきました。これに伴い、一部の経済活動が再開される見込みとなります。
7月第3週より、メキシコシティが赤色からオレンジ色に移行されたことが注目され、8月より再びオレンジに指定されました。
また、グアナファト州が再び赤色の週に指定されています。
・「赤色」(16州):南バハカリフォルニア州、コアウイラ州、コリマ州、ドゥランゴ州、イダルゴ州、ハリスコ州、ミチョアカン州、ナジャリット州、ヌエボレオン州、プエブラ州、サンルイス・ポトシ州、タバスコ州、タマウリパス州、ベラクルス州、ユカタン州、サカテカス州
・「オレンジ色」(16州):アグアスカリエンテス州、バハカリフォルニア州、カンペチェ州、チアパス州、チワワ州、メキシコ市、メキシコ州、グアナフアト州、ゲレロ州、モレロス州、オアハカ州、ケレタロ州、キンタナロー州、シナロア州、ソノラ州、トラスカラ州
※在墨日本国大使館の配信メールより。
▼施設の再開状況はこちらから▼
業種 | 赤色 | オレンジ色 |
---|---|---|
ホテル | 収容人員:25% 共用スペース:閉鎖 | 収容人員:50% 共用スペース:閉鎖 |
レストラン | 持ち帰り・家への配送サービス | 収容人員50%での開店 |
スーパー・量販店 | 入場:通常の50% 1家族あたり1人 又は家への配送サービス | 入場:通常の50% 1家族あたり1人 |
美容院 | 家での出張サービスのみ | 入店:通常の50% 予約のみ |
ジム | 閉鎖 | 入店:通常の50% 予約のみ |
公園・広場 | 開放:通常の25% 幼児用スペース:閉鎖 | 開放:通常の50% |
映画館・劇場・寺院・商業スーパーなど人が密集するところ | 閉鎖 | 収容:25% |
イベント・バー・コンサート・居酒屋 | 中止・休業 | 中止・休業 |
この指針は連邦政府による例示であり、最終的な措置は各州政府によるとのことで、各地域の状況に応じて決定される模様です。お住まいの地域の最新情報の収集・感染予防に努めるようにしてください。
また、経済活動の再開にはレストラン・カフェテリアの再開も含まれています。本格的にお店が始まるところも出てきそうです!
(無視して開けていたところもあったそうですが…。)
【8月より】アエロメヒコが運航休止。ANAは週5に増便へ!
6月よりANAが運航計画の一部変更(6月中は週5便の運航)を発表しました。
米国経由便やメキシコ国内便を含めて減便されています。
アエロメヒコ便につきましては、7月より再開が発表されました。
運航会社 | 便名 | フライトスケジュール | 有効期限 |
---|---|---|---|
全日空(ANA) | NH179便 | NRT~MEX 週5便(火曜・水曜・金曜・土曜・日曜) | 8月31日まで |
全日空(ANA) | NH180便 | MEX~NRT 週5便(月・水・木・金・土) | 8月31日まで |
空港および航空機内においては、お客様同士のご不安解消のため、マスクを必ずご着用するように。6月1日以降については、マスクを着用されないお客様、ならびに発熱など体調がすぐれないお客様のご搭乗をお断りする場合があるとのことです。
アエロメヒコ航空が現在日本~メキシコシティの便を運休しているため、アメリカ経由での移動もできますが、便が直前でキャンセルとなる可能性もありますので、引き続きお気を付けください、
メキシコシティは独自の対策を敢行!
- 赤:病床利用率65%以上、あるいは過去2週間安定的に利用率が上昇
- 橙:病床利用率50%以上65%未満で、かつ過去2週間安定的に利用率が低下
- 黄:病床利用率50%未満で、かつ過去2週間安定的に利用率が低下
- 緑:病床利用率50%未満で、かつ少なくとも過去1カ月安定して利用率が低い
メキシコシティのクラウディア・シェインバウム市長は5月20日の定例記者会見において、6月1日以降に開始される新型コロナウイルスの感染を抑制しつつ経済・社会活動を再開していくメキシコシティの計画を発表しました。
メキシコ連邦政府と同様に、信号システム(sistema semaforo)による段階的な活動再開が行われます。
しかし、先述の基準とは少し異なるので注意してください。信号の色の基準は、赤、橙(だいだい)、黄色、緑の4種類で、メキシコシティの病床の利用率に基づき毎日、変更されていきます。また、6月15日までは以下の基準にかかわらず、「赤」信号のままとします。
各信号に応じて、経済・社会活動が制限されます。
なお、メキシコシティ衛生当局の見立てでは、赤信号は6月末まで続き、橙が8月半ば、黄色が9月半ばまで続き、緑になるのは9月半ばと想定しています。
必要不可欠な産業~ビール製造も追加~
メキシコシティ独自の措置として、必要不可欠な産業として6月1日以降再開される産業が発表されました。
- 病院
- 物流
- 農業・牧畜業
- 食料品店
- インターネットでの購入(スーパーの配送サービス等)
上にくわえて、新しく追加されたのが
- 鉱業
- 建設業
- 自動車工場
- ビール製造
となります。6月1日以降にビール製造が「不可欠な活動」として認められました。
ビール製造は、現時点で「不可欠な活動」と見なされていないため、スーパーマーケットなど小売店には在庫がなくなり、品薄な状態が続いていました。
新型コロナ対策で需要が拡大している宅配業者にとっても重要な輸送手段である自転車についてもその販売が必要不可欠な産業としても認められているのもポイントです。
グアナファト州の様子
日系企業の進出がメキシコ国内で最も多いグアナファト州では、ディエゴ・シヌエ・ロドリゲス知事が5月25日、新型コロナウイルスの感染を抑制しつつ経済・社会活動を再開していくグアナファト州としての計画を発表しました。
メキシコシティのように、州独自の基準を設けて、新型コロナウイルスの対策に当たる方針です。
また、独自の措置として、工業用や医療用の履物と制服の製造を「サプライチェーン-バックアップ活動」として赤信号の下でも操業を認められました。
同じように信号が用いられ、赤・オレンジ・黄色・緑が用いられています。
メキシコシティでは病床の占有率によって日毎に更新されていきますが、グアナファト州では新型コロナの新たな感染者数、死亡数の減少度合い、重度呼吸機能障害による人工呼吸器の利用率、病床の利用状況に基づき総合的に判断し、毎週変更されるとのことです。
信号の色に応じて活動が制限を設けていますが、経済活動に関して、政府が定めた不可欠な産業とは別に「サプライチェーン・バックアップ活動」の分類を設け、産業用・医療用の履物および制服および同サプライチェーン、リスクが低いサービス(士業など)、卸売業、ビジネスサポートサービス、レストラン・ホテル(宿泊)、小売業、ショッピングセンターの活動を信号の色に応じて段階的に認めています。
上の画像では、第一グループが「サプライチェーン・バックアップ活動」にあたる産業、第二グループが今まで例に挙げられていた外での活動・イベントの活動の可否などが書かれています。
グアナファト州では、先程の制度とは別に基準が設けられています。この信号は3つあり、それらに基づいて活動の再開が決定されます。
上は経済活動の方針です。
上は教育活動の方針です。
上は大規模の集会活動の方針です。
まとめ
メキシコ国内ではまだ感染者が増えています。連邦政府や州政府の発表も変わってくることもありますので、日々の情報収集に努めましょう。
本記事はJETRO短信の情報を参考にしております。
【参考】
(1)高齢者及び高いリスク(既往症等)を持つ国民の保護
(2)全てのレベルの教育機関の閉鎖
(3)100人以上が集まるイベント・集会の中止
(4)全てのセクターにおける移動を伴う労働の一時停止
(5)予防措置の強化