メキシコ国内の新型コロナ感染状況
2020年、世界中で感染が拡大した新型コロナウイルス。メキシコもその筆頭。メキシコでの新型コロナウイルスはますます拡大しています。
メキシコ政府は当初、新型コロナウイルスのピークは2021年5月頃になるだろうと予想されています。しかし、現在も日に日に一日の感染者は増え続けています。
メキシコの新型コロナ感染者数
1月2日時点でのメキシコ国内の新型コロナ感染者数は1,443,544人です。
- 感染者:1,443,544人(昨日比+6,359人)
- 死亡者数:126,851人(昨日比+356人)
- 回復者数:109万人(昨日比+7,137人)
メキシコ国内での新型コロナ感染は2月末から始まり未だに増えています。当時に比べ日毎の感染者数は+0.5%程度と少なくなってはいますが、感染者の増加はまだ収まりません。
州別の感染者数でみてみると、以下のようになっています。
- メキシコシティ 感染者数:335,746人
- メキシコ州 感染者数:147922人
- グアナファト州 感染者数:83,813人
- ヌエボレオン州 感染者数:83,550人
- ハリスコ州 感染者数:52,779人
現在、メキシコだけではなく、全世界で感染が再拡大しています。
また、1月2日現在、全世界での感染者数は8,450万人となっています。メキシコの隣国であるアメリカは新型コロナの感染者数が世界で一番多い国です。そんなアメリカでは中西部を中心に感染拡大の第3波を迎えています。
また昨今、ヨーロッパでも再拡大が勢いを増しています。イギリスを発端に始まった変異種。1月3日現在、イギリス、ナイジェリア、日本、韓国、そしてタイでも感染が確認されています。この変異種は感染力がより高いとされるため、既に50か国以上が英国に対する渡航制限を導入しています。
現在はメキシコではこの変異種の感染は確認されていません。
メキシコの一日あたりの新規感染者数
上のグラフはメキシコ国内の新規感染者数です。新規感染者数のピークは7月~8月で、今までは減少傾向でしたが11月を迎え急に新規感染者数が増えています。(オレンジ丸部分)
今まで新規感染者数が6000人を超えていたのは8月ごろまででしたが、10月にはいって新規感染者数が6000人増える日も出てきています。そして感染者は急に増えだし、1日に10,000人を超す日が出てくるようになりました。
その波は、2021年になってからもまだ衰えていません。全体的に新規の感染者の数も増え続けているのが現状です。
メキシコ国内のワクチン接種状況について
メキシコ国内では、米国ファイザー社とドイツのビオンテック社の抗新型コロナウイルスワクチンが使用されることになります。
2020年12月23日、ロペスオブラドール大統領が、24日より新型コロナウイルスのワクチン接種を始めると発表しました。これらは、薬事の当局にあたるCOFEPRISが緊急使用の承認をしたものです。
これらは、まず感染予防が急務となっているメキシコシティと、北部のコアウイラ州で、医療関係従事者が接種を受けます。2021年2月からは60歳以上、4月からは50~59歳、5月には40~49歳、6月以降は一般に接種する計画を立てているとのことです。
現段階では接種の時期は未定ですが、メキシコ国民は無料でワクチン接種ができるとの事です。
メキシコの新型コロナの信号情報について
メキシコでは6月より信号制度が始まっています。
メキシコ国内における活動再開の表現に信号を使用しています。各地域における活動再開について「信号情報」を導入。各地の「信号色」に基づいた規制解除が推奨されている一方、5月が続いてた衛生措置については引き続き実施されています。
(1)高齢者及び高いリスク(既往症等)を持つ国民の保護
(2)全てのレベルの教育機関の閉鎖
(3)100人以上が集まるイベント・集会の中止
(4)全てのセクターにおける移動を伴う労働の一時停止
(5)予防措置の強化
⇒メキシコ・米国国境における不要不急の移動制限が延長されています。
この指針は連邦政府による例示であり、最終的な措置は各州政府によるとのことで、各地域の状況に応じて決定される模様です。お住まいの地域の最新情報の収集・感染予防に努めるようにしてください。
1月4日~1月17日の信号情報はどうなる?
▼州別の信号状況はこちら▼
「赤色」(5州):メキシコ市、メキシコ州、グアナフアト州、モレロス州、バハカリフォルニア州
「オレンジ色」(22州):アグアスカリエンテス州、南バハカリフォルニア州、コアウイラ州、コリマ州、チワワ州、ドゥランゴ州、ゲレロ州、イダルゴ州、ハリスコ州、ミチョアカン州、ナジャリット州、ヌエボレオン州、オアハカ州、プエブラ州、ケレタロ州、キンタナロー州、サンルイス・ポトシ州、ソノラ州、トラスカラ州、タバスコ州、ユカタン州、サカテカス州
「黄色」(3州):タマウリパス州、シナロア州、ベラクルス州
「緑色」(2州):カンペチェ州、チアパス州
※在墨日本国大使館の配信メールより。
前々回の移行ではついにメキシコシティとメキシコ州が赤信号に指定されました。そして今回、グアナファト州が赤色に指定されています。
一方のカンペチェ州、チアパス州では、新規感染者数が減っていることから今回も緑信号に指定されています。
黄色信号に指定された州では、高齢者など感染症リスクが高いとされている人々との接触をさけながら、全ての労働活動は許可されます。公園、博物館・美術館などの公共スペースの利用では、屋外活動は許可され、及び屋内活動は制限を設けた場合で許可されます。
今回黄色に移行されたその他の州は感染者数はばらつきはありますが、複数の要素によって今回「黄色」に移行されました。
信号の判定基準は、感染の増減傾向、入院患者の増減傾向、病床利用率、新規感染確定率などを基に判断すると発表されています。
また、州ごとにオレンジ信号であっても感染状況にはかなりの差があります。そのため、オレンジ信号であっても操業が許可されている産業等、州によって異なることがあるとのことですのでお気を付けください。
また、メキシコシティとグアナファト州は別の基準で信号制度を取り入れています。
メキシコシティの信号情報
- メキシコシティの感染者数…335,746人 (昨日比+1,609人)
- メキシコシティの死亡者数…16,955人
メキシコシティの信号状態は現在赤信号です。
メキシコシティのクラウディア・シェインバウム市長は新型コロナウイルスの感染を抑制しつつ経済・社会活動を再開していくメキシコシティの計画を発表しました。
先述の通り、メキシコシティは政府とは別の信号制度を導入しています。
メキシコシティの信号制度には病床の占有率を重視し色を決めています。メキシコ政府は一週間ごとの設定になりますが、メキシコシティの信号は
- 赤:病床利用率65%以上、あるいは過去2週間安定的に利用率が上昇
- オレンジ:病床利用率50%以上65%未満で、かつ過去2週間安定的に利用率が低下
- 黄:病床利用率50%未満で、かつ過去2週間安定的に利用率が低下
- 緑:病床利用率50%未満で、かつ少なくとも過去1カ月安定して利用率が低い
現在、メキシコシティの病床使用率は85%となっており、報道では医療崩壊に近い形が予想されるとされています。この数値は、メキシコシティが赤信号に指定された12月17日からの移行をみても、当時より病床使用率が高くなっていることが分かり、ますます予断を許さない状況です。
また、メキシコシティでは自治体独自の政策も進められており、19日から、必要不可欠な業種以外の営業は禁止されています。飲食店は持ち帰りや宅配の営業のみとなっており、これは来週の1月10日まで続く予定。その後については発表がされるとのことです。
グアナファトの信号情報
- グアナファト州の感染者数…83,813人 (昨日比+293人)
- グアナファト州の死亡者数…5,382人
グアナファト州では、今回の移行(2021年1月4日~17日分)より赤信号に指定されました。
グアナファト州では新型コロナの新たな感染者数、死亡数の減少度合い、重度呼吸機能障害による人工呼吸器の利用率、病床の利用状況に基づき総合的に判断し、毎週変更されるとのことです。
病床の総数1,914に対して、使用されている病床は1,068となっており、現在グアナファト州の病床占有率は55.7%となっています。
信号の色に応じて活動が制限を設けていますが、経済活動に関して、政府が定めた不可欠な産業とは別に「サプライチェーン・バックアップ活動」の分類を設け、産業用・医療用の履物および制服および同サプライチェーン、リスクが低いサービス(士業など)、卸売業、ビジネスサポートサービス、レストラン・ホテル(宿泊)、小売業、ショッピングセンターの活動を信号の色に応じて段階的に認めています。
まとめ
メキシコ国内ではまだ感染者が増えています。
年末はメキシコシティの赤信号移行に伴って、レストランなどで対策がされていましたが、まだまだ感染者は増えている一方です。
年明け、どのようになっていくのでしょうか。
連邦政府や州政府の発表も変わってくることもありますので、日々の情報収集に努めましょう。
参考サイト:外務省海外安全ホームページ