自動車産業を筆頭に産業が年々急成長し、観光の魅力もあふれるサンルイスポトシ!
メキシコ屈指のネイチャースポットであるHuasteca Potosina (ワステカポトシーナ)やPueblos Mágicos (プエブロマヒコ)と呼ばれる魔法の村など、注目の観光スポットも数多く存在します。
ここ数年における日系企業の進出とともに、サンルイスポトシにも日本人居住者が増加していきました。
①サンルイスポトシ基本情報
サンルイスポトシとは、サンルイスポトシ州および州都であるサンルイスポトシ市の呼称であり、
親しみを込めて”サンルイス”とも呼ばれています。
サンルイスポトシ州は、メキシコ中央部北東寄りの内陸に位置しており、バヒオ地区の一部でもあります。複数の州と接しており、ヌエボレオン州、タマウリパス州、ベラクルス州、イダルゴ州、ケレタロ州、グアナファト州、サカテカス州、コアウィラ州に囲まれています。
サンルイスポトシ州のサイズは北海道総面積の約4分の3!
サンルイスポトシ市のサイズは東京都23区総面積の約2倍!
サンルイスポトシ州 | サンルイスポトシ市 | |
---|---|---|
人口 | 約280万人 | 約82万人 |
面積 | 63,068平方キロメートル | 1,443平方キロメートル |
冒頭でも述べた通り、自動車産業における外資系企業の進出がここ数年顕著です。
完成車メーカーではGMやBMWの工場があり、自動車部品メーカーや物流会社など、日系企業を初め、韓国系、中国系、米系、ヨーロッパ系等、多くの外資系企業が進出をしています。
バヒオ地区内の各州へは車で3時間以内で移動可、アメリカへも陸送で8時間以内、サンルイスポトシはビジネス戦略的にも優位な場所に位置しています。
また人口平均年齢は25歳であり、サンルイスポトシにおける各産業の発展にも若い労働力が寄与しています。人口の61.5パーセントを15歳から64歳が占めており、65歳以上の高齢者は人口のわずか7.2パーセントです。人口は年々増加傾向にある為、労働力の豊かさも外資系企業にとっては進出しやすい好条件となっているようです。
サンルイスポトシの歴史
紀元前約10,000万年前から、先住民族が暮らしていたと言われています。
1592年、金と銀が発見および採掘されたことにより、スペイン本国から移住者や鉱山労働者らが急速的に住み初め、街の発展が始まりました。
当時フランスの影響も大きかったサンルイスポトシにおいて、13世紀の「聖王」と崇められていたフランスのルイ9世に敬意を表して「サンルイス」を、またアメリカ大陸最大の銀山があったボリビアの「ポトシ」市のように繁栄するよう願いを込めて、“サンルイスポトシ”と名付けられました。
ちなみにアメリカのミズーリ州「セントルイス」も同じくフランスのルイ9世が由来だそうです。
17世紀から18世紀にかけて、メキシコ屈指のゴールドラッシュスポットとして名を馳せると同時に、ヨーロッパからカトリック教会の修道会であるフランシスコ会、アウグスノ会、イエズス会が定住し、教会や建築物を建設し始めました。その多くは現在も尚残されており、大学や美術館等に改築されています。
1846年から1847年の米墨戦争中には、サンルイスポトシの多くの指導者らが貢献したことから ”San Luis de la Patria(祖国のサンルイス)”と呼ばれました。
また、メキシコ内戦(レフォルマ戦争)中の1862年フランス介入時、ベニート・フアレス大統領は、サンルイスポトシを共和党政権の首都と宣言し、1867年までの約5年間はこのサンルイスポトシから指揮をとっていました。
メキシコシティからアメリカテキサス州ラレドへ向かうには、サンルイスポトシが通過点となる為、1910年メキシコ革命時にも重要なポイントでした。サンルイスポトシをコントロールすることは、米墨の国境をコントロールすることであるとまで言われていたほどです。
サンルイスポトシの生活
- エリア
日本人在住者が暮らしているエリアは、旧市街から東に10km程の場所にあり、Parque Tangamanga I(タンガマンガ公園)より東側に集中しています。
- スーパー
日本の食材は、米系スーパーのHEBやWalmart、メキシコ国内の日本食材チェーン店であるTOYO FOODSにて手に入ります。Costcoも日本人在住者から人気です。
- 学校
日本人学校はないですが、インターナショナルスクールが幾つかあり、英語とスペイン語のバイリンガル教育を受けられます。
- 公園
Parque Tangamanga I (タンガマンガ公園 I)というメキシコ国内で2番目に大きな公園があります。ちなみにメキシコ最大の公園はメキシコシティのBosque de Chapultepecです。
園内には、湖、動物園、野球場、サッカーコート、バスケットコート、テニスコート、プール、博物館、レストラン、展示用航空機などがあります。2021年7月には、日本庭園もオープンしました。
サンルイス市民の憩いの場となっております。
②サンルイスポトシの標高・気候
サンルイスポトシ市の標高は1860mです。
日本同様に四季がありますが、夏は涼しく冬は寒すぎず、とても過ごしやすい気候です。
サンルイスポトシは湿気が少なく、夏でもクーラーなしで快適に過ごせます。
サンルイスポトシ州内の標高は約68mから3,000mと幅があります。気候もワステカ(Huasteca)、メディア(Media)、アンティプラノ(Antiplano)と大きく3種類に分類され、それぞれ特徴が異なります。
ネイチャースポットで人気の観光地ワステカは海抜70m~200m程であり、同じ9月でもサンルイスポトシ市は涼しく、ワステカはまだ真夏であったりします。
③サンルイスポトシの治安について
旧市街の観光地や、日本人居住地域であるサンルイスポトシ市東側の生活圏内であれば、治安は概ね良しとされています。外務省の危険情報も出ていません。
但し、ATM利用時の強盗、商業施設での置き引き、渋滞中の車両強盗、空き巣、窃盗等は少なからず発生はしているので、普段から気を付ける必要はあります。また、あまり馴染みのないエリアには行かないよう要注意です。
④サンルイスポトシの交通機関について
サンルイスポトシは車社会で、市内の移動は自家用車もしくは社用車、Uberでの移動がメインとなります。公共交通機関はタクシーとバスのみになります。
市内バスは外国人があまり利用していない為、Uberでの移動がおすすめです。
各都市からサンルイスポトシへ【長距離バス】
長距離バスターミナル Terminal Terreste Potosína は旧市街から南東に3.6km、車で10分程の場所にあります。
この長距離バスターミナルには、メキシコシティ、グアダラハラ、ケレタロ、グアナファト、レオン、アグアスカリエンテス、サカテカス、プエルトバジャルタ等、メキシコ各地からバスが乗り入れています。
飛行機に比べて料金が安価なので、お時間のある方にはおすすめです。
出発地 | 所要時間(片道) | 料金(メキシカンペソ) |
---|---|---|
メキシコシティ | 約5~6時間 | 約546~658ペソ |
グアダラハラ | 約4.5~5時間 | 約458~564ペソ |
ケレタロ | 約2.5~3時間 | 約278~303ペソ |
レオン | 約3時間 | 約288~325ペソ |
アグアスカリエンテス | 約2時間 | 約165~278ペソ |
長距離バスターミナルから市内へは、タクシーもしくはUberでの移動がおすすめです。タクシーはターミナル内から乗車可能ですが、Uberはターミナル外の大通りから乗車することになります。
各都市からサンルイスポトシへ【飛行機】
空港 Aeropuerto Internacional de San Luis Potosí は市内から旧市街から北に17.4km、車で20分程の場所にあります。
直行便は、国際線ではアメリカのテキサス州ダラス及びヒューストン、国内線ではメキシコシティ、カンクン、モンテレイ、プエルトバジャルタ、ティファナ、ケレタロ等から乗り入れています。
出発地 | 所要時間(片道) | 料金(メキシカンペソ) |
---|---|---|
メキシコシティ | 1時間13分 | 約4,158ペソ |
カンクン | 2時間19分 | 約1,688~4,217ペソ |
モンテレイ | 1時間15分 | 約2,139~5,750ペソ |
空港から市内へは、空港タクシーが便利です。エリア毎に料金が決まっており、到着ターミナルにあるカウンターにて行き先を伝え、前払いとなります。
長閑なエリアにある空港なので、近くをUberが通りません。
⑤サンルイスポトシの観光情報
- Centro Historico(旧市街)
サンルイスポトシ市の旧市街は、サーモンピンクの色をした教会が多く、ヨーロピアンな街並みが広がっていて、それぞれの特徴を持った広場を起点に散策を楽しめます。
- Plaza de Aranzazú 黄色い建物が目を引くMuseo Regional Potosinoの前にあります。お洒落なバーやカフェが並ぶエリアです。
- Plaza de las Armas ひと際大きな教会Catedral Metropolitana de San Luis Potosí の前にあります。クリスマスや年末には、教会の建物にプロジェクションマッピングアートのパフォーマンスがあります。
- Plaza del Carmen サンルイスポトシ随一の劇場 Teatro de La Pazの前にあります。劇場の荘厳な建築をバックに、噴水と緑が映えてとても美しい広場です。
- Huasteca Potosína(ワステカポトシーナ)
サンルイスポトシ市内から東へ車で約3時間半の場所にあるネイチャースポット。数々の滝、川、湖などが点在し、まさに「水」の天然テーマパークです。水遊び、カヌー、ラフティング等を楽しむことができます。数々のツアーがあり、Ciudad Valles(シウダ・ヴァジェス)という町が起点となります。滝を楽しんだ後は、Xilitla(ヒリトラ)というプエブロマヒコへ足を延ばすことをお勧めします。かつて英国人大富豪のエドワード・ジェームズがジャングルの中に作ったコンクリートの巨大オブジェ Las Pozas(ラス・ポサス)があり、自然とアートが織りなす迷宮の中を歩いて楽しめます。
- Real de Catorce (レアル・デ・カトルセ)
サンルイスポトシ州随一のプエブロマヒコです。市内から車で北へ約4時間の場所に位置します。かつては鉱山の町として栄えたものの一時はゴーストタウン化し、現在はとても人気な観光地となっています。2001年公開のハリウッド映画『The Mexican』(主演 ブラッドピット、ジュリアロバーツ)の舞台にもなりました。馬に乗りながら村を散策することもできます。
- Cerro de San Pedro (セロ・デ・サンペドロ)
市内から北東5㎞に位置する、サンルイスポトシ市中心部から最も近いプエブロマヒコです。サンルイスポトシ発展が始まった1592年の金と銀の採掘はまさにセロデサンペドロにて始まりました。こちらも鉱山の町として栄えた後に一時はゴーストタウン化しましたが、今また観光地として賑わっています。
⑥サンルイスポトシのグルメ情報
実はサンルイスポトシ発祥!?
今やメキシコ各地で飲まれているMichelada(ミチェラダ)はビール、ライム果汁、チリベースのソース、トマトジュースをミックスしたビールカクテルで、グラスの縁に粗塩とチリペッパーがちりばめられています。段々とやみつきになる魅惑の味を持つこのミチェラダ、なんとサンルイスポトシ発祥なんです!
1960年代、サンルイスポトシ市のClub Deportivo Potosino(スポーツクラブ)にて、当時メンバーであったMichel Ésper がいつもビールをレモネード風アレンジにして飲んでいたところ、”Michelのレモネード”として認識され始め、次第にMicheladaと呼ばれるようになったそうです。
サンルイスポトシ発のチョコレート
サンルイスポトシ空港や市内の至る所に店舗を構えるCostanzo(コスタンソ)はサンルイスポトシ発のチョコレート屋さんです。
150種類にも及ぶチョコレートを販売しており、店舗では量り売りやギフト用の詰め合わせ等もとても人気です。
サンルイスポトシ市を訪れた際のお土産にぴったりです!
いかがでしたでしょうか?
今後もサンルイスポトシについて様々な記事を投稿していきますので、お楽しみに!
サンルイスポトシ出身のメキシコ人は、ポトシーノ(男性)、ポトシーナ(女性)と呼ばれていますよ。