ガイドブックやインターネット上でもまだまだ情報が少ない、サンルイスポトシ観光情報。今回はサンルイスポトシ市内にある旧市街(セントロ)をご紹介致します。日帰りでもサクッと観光できるサイズの旧市街なので、ぜひ訪れてみてはいかかでしょうか。
サンルイスポトシ旧市街(セントロ)とは
サンルイスポトシ市内にある、かつての街の中心地です。スペイン語では、Centro Historico(セントロ・イストリコ)、略してセントロと呼ばれています。直訳すると『歴史的な街の中心地』という意味です。
サンルイスポトシのセントロは、淡いピンク色をしたバロック建築の歴史的建造物が多く、メキシコの中でもバロック建築が豊かな旧市街とされています。晴天率も非常に高い為、青空とバロック建築のコントラストがとても美しいです。
2010年には、ユネスコの世界文化遺産に認定されました。
セントロには、ローカル感溢れるお店が多数ありますが、最近は歴史的な建造物の内部をリノベーションし、モダンでお洒落な雑貨屋さんやカフェ、バー等も増えてきており、お散歩しながら素敵なお店に出会える楽しみも味わえます。
現在はセントロよりも西側に向かって、新たな商業施設や住宅地等が開発され、サンルイスポトシ市は年々拡大しています。
観光のポイントとなるプラサ(広場)
サンルイスポトシの旧市街には主に4つの大きな広場があり、これらの広場を目印にすると観光やお散歩がしやすいです。
①Plaza de Armas (プラサ・デ・アルマス)
セントロの中でもメインとなる広場で、ピンク色の教会Catedral Metropolitana de San Luis Potosí(カテドラル・メトロポリタナ・デ・サンルイスポトシ)が目の前にあります。こちらのカテドラルは1670年から1730年にかけて建設されました。
広場を挟んで反対側には、Palacio de Gobierno de San Luis Potosí(サンルイスポトシ政府庁舎)があります。



②Plaza del Carmen (プラサ・デル・カルメン)
庭園のような広場です。広場を囲むように、Templo de Nuestra Señora del Carmen(テンプロ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デル・カルメン)、Museo Nacional de la Máscara(国立仮面博物館)、演劇やオペラ、ダンス、コンサート等の舞台が行われる芸術劇場Teatro de la Paz (テアトロ・デ・ラ・パス)の建物があります。
Templo de Nuestra Señora del Carmen(テンプロ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デル・カルメン) は、1749年から1764年にかけて建設され、17世紀末から18世紀のスペイン独自のバロック様式であるチュリゲーラ様式を特徴とする教会です。


③Plaza Aranzazú (プラサ・アランサス)
セントロの中でも小さな広場ですが、お洒落なバーやカフェが並ぶエリアにあります。同じくバロック建築の教会であり、1689年から1692年にかけて建設されたTemplo San Francisco de Asís(テンプロ・サン・フランシスコ・デ・アシス)と黄色い外観の地域博物館Museo Regional Potosino (ムセオ・レヒオナル・ポトシーノ)の裏庭のような場所に位置しています。テンプロ側には、Jardín de San Francisco(ハルディン・デ・サン・フランシスコ)という緑豊かな広場もあります。


Templo San Francisco de Asís(テンプロ・サン・フランシスコ・デ・アシス)
④Plaza Fundadores (プラサ・フンダドーレス)
1952年11月3日にサンルイスポトシの正式な創設宣言が行われた場所である為、その名もプラサ・フンダドーレス、訳して「創設者たちの広場」と名付けられました。建設者に因んだ銅像もあります。広場の前には、Parroquia Sagrario Metropolitano(パロキア・サグラリオ・メトロポリタノ)という教会、サンルイスポトシ自治大学(Universidad Autónoma de SLP)の建物が並んでいます。

このようにイベントも行われます。
観光バス
サンルイスポトシ旧市街をぐるっと一周したいなら、Tranvía Turístico San Luis Rey(トランビア・ツーリスティコ・サンルイス・レイ)という観光バスがおすすめです。
所要時間約一時間で、旧市街にある主な歴史的建造物をバスから眺めることができます。言語はスペイン語のみですが、ガイドさんによる説明付きです。
毎日午前10時~午後6時まで、25分毎にPlaza del Carmenから運行しています。
料金は、大人100ペソ、お子様80ペソ。乗車時に直接のお支払い(現金のみ)となります。


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※コロナ対策として営業日時の変更等もございますので、最新情報は公式アカウントよりご確認下さい。
おすすめ観光スポット8選
主な観光スポットをご紹介致します。
①Templo de San Agustín (テンプロ・デ・サン・アグスティン)

緑の木々とのコントラストが美しいピンク色とオレンジ色の教会、 Templo de San Agustín (テンプロ・デ・サン・アグスティン)は、1603年から1682年にかけて聖アウグスチノ修道会により建設されました。現地メキシコ人にもとても人気の教会で、結婚式の予約はなんと一年待ちだそうです。
②Basílica Santuario de Nuestra Señora de Guadalupe(バシリカ・サントゥアリオ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デ・グアダルペ)
セントロの南側に位置する教会です。ニューヒスパニック系バロック様式とネオクラシック様式がミックスされた外観が特徴です。上記4つの広場からも離れた所にあり、セントロの南側にあるJardín de Colón(ハルディン・デ・コロン)から始まり、更に南へ約3キロメートルに及ぶ Calzada de Guadalupe(カルサダ・デ・グアダルペ)という歩行者通りを歩き続けると終点に堂々とそびえ立っているのが、こちらのバシリカです。マドリード出身の建築家Felipe Cleereの作品でもあり、1772年に建設開始、1800年に完成しました。

③Calzada de Guadalupe(カルサダ・デ・グアダルペ)
セントロの南側にあるJardín de Colón(ハルディン・デ・コロン)から始まり、 Basílica Santuario de Nuestra Señora de Guadalupe(バシリカ・サントゥアリオ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デ・グアダルペ) まで更に南へ続く約3キロメートルに渡る歩行者通りです。メキシコ国内でも最も長い歩行者通りとも言われています。緑の木々が並び、お散歩するにもとても気持ちがいいです。
通りのスタート地点には、187年前に建設されたCaja del Agua(カハ・デル・アグア)と呼ばれるモニュメントがあります。かつて19世紀から20世紀初頭まで近隣地区へ水道の供給を担っていました。
また通り沿いには、Museo Leonora Carrington(ムセオ・レオノラ・キャリントン)というシュルレアリスムの作品を展示する博物館もあります。



④Parroquia de San Miguelito(パロキア・デ・サン・ミゲリート)
セントロからやや南側、ちょうどCalzada de Guadalupe通りのスタート地点近くに位置する教会です。1872年に建設され、黄色い壁に赤でアクセントをあしらった外観です。

⑤Museo Leonora Carrington(レオノーラ・キャリントン美術館)
イングランド生まれでメキシコで活躍した女性芸術家レオノーラ・キャリントン(1917-2011)の名を冠した美術館です。建物自体は19世紀後半から20世紀前半に建てられ、かつては牢獄として使用されていた時代もありましたが、その後リノベーションされ、2018年に美術館として生まれ変わりました。1942年メキシコ移住し、残りの人生をメキシコで過ごしたレオノーラ・キャリントンは、生涯に渡ってシュールレアリスム作品を制作し、それらの作品が当該美術館に収められています。

サンルイスポトシ州のヒリトラにラス・ポサスを制作した、シュルレアリストのイギリス芸術家、エドワード・ジェームズは、キャリントンの絵画に強い影響を受けたと言われています。1963~1964年にはメキシコシティの国立人類額博物館から依頼を受け、『マヤ族の不思議な世界』という壁画を作成し、現在においても同博物館にて展示されています。1970年代においては、メキシコの女性解放運動にも参加しました。1990年代にはチアパス州の先住民文化に感銘を受け、ブロンズ彫刻を多く作成しました。1997年から98年にかけては日本各地においても レオノーラ・キャリントン展が開催されています。2000年には大英帝国勲章を授与、2005年にはメキシコの国家科学芸術相を受賞。2005年、クリスティーズの競売にかけられた絵画『ジャグラー』は当時のシュルレアリスムの画家作品としては最高額を記録しました。
⑥Museo de Arte Contemporáneo (ムセオ・デ・アルテ・コンテンポラネオ)
サンルイスポトシ現代美術館です。その名の通り、現代アートが展示されています。
⑦Museo del Ferrocarril “Jesús García Corona”(ムセオ・デル・フェロカリル¨ヘスース・ガルシア・コロナ¨)
鉄道博物館です。ミニチュアから実物の車両まで展示があり楽しめます。
⑧Teatro de la Paz(テアトロ・デ・ラ・パス)
1889 年から1894年にかけて建設された芸術劇場です。庭園のように美しいPlaza del Carmenにあります。現在も、演劇、 オペラ、コンサート、ダンス、お子様向けのショー等幅広い舞台が上演されています。直近の公演スケジュールについては、下記リンクよりご参照下さい。

Facebook https://www.facebook.com/TeatrodelaPazSanLuisP/
カフェ&バー
観光やお散歩の途中に気軽に立ち寄れる、おすすめのカフェ、バーをご紹介致します。
①Chau Resto
セントロの西側に位置する、カジュアルなカフェ&バーです。伝統的なコロニアル建築の中庭をリノベーションしたようです。軽食やデザートはどれも美味しく、ドリンクの種類も豊富です。小さなアートギャラリーとお洒落な雑貨屋が併設されています。


②KAFFEE KUNST BERLÍN
Plaza Aranzazúの真横にあるカフェです。こちらも軽食、デザート、ドリンクが楽しめます。サンルイスポトシの人気ドイツ系ケーキ屋さんBrotgarten系列なので、コーヒーに合うパンやケーキのメニューも揃っています。


③Sideral Café
こちらも Plaza Aranzazú 近くのカフェです。
④La Piquería Mezcalería
同じく Plaza Aranzazú の目の前にあるバーです。お酒を飲みたい時はぜひこちらへ。こちらのバーではメキシコのお酒プルケ(Pulque)があります!アロエのような形をしたリュウゼツラン科の植物の樹液を発酵させて作る蒸留酒です。
宿泊施設
①Hotel Museo Palacio de San Agustín
17世紀に建てられた伝統的なお城の5ツ星ホテルです。ヨーロッパからの貴重な装飾品等も飾られており、お部屋もお城の一室のようです。博物館とレストランも併設しています。宿泊者以外も一階ロビーは見学可能です。

②City Centro Progreso San Luis Potosí
こちらも伝統的な建築の4つ星ホテルです。内装は現代的にリノベーションされており、ルーフトップにはプールもあります。

③Iturbide500 Hostal
お手頃価格のホステルならこちらへ。ドミトリールームに加え、ワンベッドルームの個室もあります。ホステルですが、内装がお洒落にリノベーションされていて綺麗です。

観光案内所 (Secretaría de Turismo del Gobierno del Estado de San Luis Potosí)
旧市街の中心地、Plaza de Armas近くに観光案内所もあります。小さな案内所ですが、観光に関わる質問に答えて下さり、各種パンフレットも取り揃えています。

アクセス方法
① 長距離バスターミナル Terminal Terreste Potosína から
タクシー又はUberにて、約10分。
※Uberは、ターミナル外の大通り等から乗車することになります。
② 空港 Aeropuerto Internacional de San Luis Potosí から
空港タクシーにて、約20分。
他州からサンルイスポトシ市へのアクセスは、こちらの記事をご参照ください。

サンルイスポトシへお越しの際は、ぜひ旧市街も訪れてみて下さい。こちらの情報が参考になれば、とても嬉しいです。
今後も新たな観光スポット情報等をお届けします。
赤線で囲まれた部分が主に観光を楽しめるエリアです。