メキシコの人々が熱く信仰するグアダルーペ聖母の謎に迫る

メキシコで生活&留学をしていると、しばしば目にするものの一つに「グアダルーペの聖母」があります。 教会は勿論、道路、公園、市場、一般の家庭内等々、この聖母像や聖母の画が見られる場所は様々です。

筆者宅近くの公園にあるグアダルーペ聖母の画。筆者撮影。以下、全ての写真は筆者撮影。

こんにちは、1月からメヒナビブログの編集を少し手伝わせてもらっています、まそん (máscara-sonrisa)です。

今回は、メキシコ国内でよく見かけるグアダルーペ聖母とその聖母の日、そしてこれらとメキシコの人々との関係について書きたいと思います。

「グアダルーペの聖母」とは

チャプルテペック城内、国立歴史博物館で展示されているグアダルーペ聖母の画。

グアダルーペの聖母は、メキシコのテペヤクの丘(現在グアダルーペ寺院があるところ。詳しくは後述。)に出現したとされる聖母で、こちらではよく、Virgen de Guadalupeと呼ばれています。「褐色の聖母」としても認知されていますね。

メキシコは、カトリックを信仰している人が多いことで知られますが、同じくグアダルーペの聖母も多くの人によって崇拝されており、メキシコの人にとって重要な存在とされています。

オアハカのサントドミンゴ教会にあるグアダルーペ聖母の画。

実際、メキシコ国内にあるカトリックの教会内を見学すると、多くの教会でグアダルーペの聖母画(聖母像)が置かれているのを確認できます。

また、冒頭で述べたように、メキシコでは本当に様々な場所でグアダルーペ聖母の像や画を見ることができます。

例えば、↑この写真は、メキシコ国立自治大学(UNAM)近くのサン・アンヘル市場で撮ったもの。正面右の画がグアダルーペの聖母。また、左端にある銅のプレート(?)に彫られているのも同じく。

1531年12月12日にグアダルーペの聖母が出現したと考えられており、現在同日が「グアダルーペ聖母の日」とされています。(*2018年11月23日追記:「メキシコの祝祭日になっています。」と書いておりましたが、グアダルーペ聖母の日は休日ではないそうです。失礼しました。)

メキシコシティにあるグアダルーペ寺院

左の建物が現在のグアダルーペ寺院。右の建物は、以前使われていた旧寺院。

メキシコシティ北部には、グアダルーペ寺院(Basílica de Guadalupe)があります。

詳しく言うと、グアダルーペ寺院は広い敷地を有していて、その敷地内にグアダルーペの聖母が出現したとされる丘(テペヤクの丘)があったり、幾つか教会があったり、聖母が出現した後にその姿が浮かび上がったとされる、「奇跡のマント」が飾られている大きな寺院(現在のグアダルーペ寺院)があったりします。

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こちら、額に飾られているのが、「奇跡のマント」「奇跡のマント」の下はこのようになっていて、真下まで行って見ることができます。

人溜まりにならないよう、動く歩道となっています。

毎年、グアダルーペ聖母の日である12月12日の前日(11日)の夜より、メキシコ国内至る所から巡礼者がこの寺院に来始めます。

私は昨年の12月11日、12日にシティに居なかったので、実際には見ていませんが、メキシコシティに長年住む友人や語学学校の教師の話によれば、グアダルーペ聖母の日当日は、寺院は大変多くの人で混み合い、またシティー内の道路も、多くの巡礼者及び巡礼者を乗せた車が増え、交通量が多くなるとのこと。

(そのため、12月12日にシティー内を車やバスで移動する必要がある場合、かなり時間に余裕を持って動く必要がある、とも言われました。)

 グアダルーペ聖母の日の様子

前述したように、私は昨年2017年の12月11日、12日とメキシコシティにはおらず、メキシコ南東部に位置するチアパス州のパレンケや、ユカタン州のメリダ周辺を旅していました。そこで、これらの地で見た、グアダルーペ聖母の日(及びその前日)の様子を、少し紹介したいと思います。

まず、12月11日(グアダルーペ聖母の日前日)のこと。私はチアパス州のパレンケにいました。(ちなみにパレンケ遺跡が有名。)朝から晩にかけて、沢山の巡礼者と巡礼者を乗せた車が見受けられました。

↑タバスコ州のビヤエルモッサからパレンケへ向かう途中で見かけた、巡礼者の人々とその車。車の先頭には、グアダルーペの聖母像が。また、多くの巡礼者はグアダルーペの聖母がプリントされたTシャツやバンダナを身につけ、グループで巡礼している人々は揃いの衣服を装っていました。

さて、12月12日(グアダルーペ聖母の日)。私はユカタン州の州都メリダ、マヤパン遺跡、そしてマヤパン遺跡近くの村を訪れていました。11日と同じく、朝早くから多くの巡礼者の姿が見られました。

↑こちら、メリダの教会を出発したばかりの巡礼者の人々。若者が像や色々なものを背負い、自転車を漕いでいました。

ちなみに、私が11日、12日に見た巡礼者の多くが、どのようにして目的地まで向かっていたかというと、以下の2パターンが挙げられます。

①聖火やグアダルーペ聖母がプリントしてある旗を持って走る。

(その走者の前を、聖母像や聖母の絵をつけた車が走る。車の中には、他の巡礼者が乗っていて、恐らく交代で走っていたのだと考えられる。)

②聖母像や聖母のプリントされた旗(人によってはイエス・キリストの像)を背負ったり、荷物カゴにそれらを入れて自転車で走る人々そして、これら多くの人がサイレンを鳴らしながら走る。

また、マヤパン遺跡近くの村、テルチャキーヨ(Telchaquillo)に居た際、現地の人に「皆、今走っている人達は、メキシコシティのグアダルーペ寺院を目指すのですか?(今から村を出ても、12日中には寺院に着けないですよね??)」と訊いてみたところ、巡礼者全員がメキシコシティのグアダルーペ寺院を目指すわけではなく、人によっては他の州の大きい教会を目指したり、1つ2つ隣の村の教会を目指したり、様々である、とのこと。

グアダルーペ寺院敷地内、テペヤクの丘付近から見た、現在の寺院と旧寺院。

日々、こちらで生活している時にも、現地の人々にとってグアダルーペの聖母が大切な信仰対象であることをひしひしと感じていましたが、今回聖母の日付近の人々の様子を目の当たりにして、人々の信仰の熱さを垣間見ることが出来たように思います。

以上、メキシコにて熱い信仰を集めるグアダルーペ聖母と聖母の日、そしてこれらとメキシコの人々との関係についてでした。

アクセス

Basílica de Santa María de Guadalupe(グアダルーペ教会)

  • 住所:Plaza de las Américas 1, Villa de Guadalupe, Villa Gustavo A. Madero, 07050 Ciudad de México, CDMX, Mexico
  • ウェブサイト:virgendeguadalupe.mx

<参考にしたもの>

  • ・グアダルーペ寺院HP(スペイン語) ” Insigne y Nacional Basílica de Santa María de Guadalupe
  • ・UNAM内CEPEで開講されている美術に関する授業「Arte Mexicano en 100 Imágenes」の授業内容(筆者は、2017年秋学期2の期間に受講。)
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まそん(máscara-sonrisa)
日墨戦略的グローバルパートナーシップ研修第45期のまそん (máscara-sonrisa)です。現在は日本で生活をしながらメキシコ関連のテーマでブログ記事を書いたり、メキシコ民族舞踊の披露等を行なっています。年中無休でメキシコが恋しいです。