最近メキシコでは新型コロナウイルスの影響でかなり生活が変わっているようですが、もう一つ大きなニュースが降りかかりそうになっています。
2018年頃にメキシコで話題になったホンジュラス移民集団「キャラバン」が再び動き出しています。
2018年のホンジュラス移民問題の詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
今回は過去のキャラバンの原因や対応を簡単にまとめると共に、今回の動向も追っていきたいと思います。
2018年のキャラバン

2018年の10月頃、SNSを通じてホンジュラスの移民が集結し、グアテマラ、メキシコを経由してアメリカ合衆国を目指していました。
移民キャラバンを構成する中米三か国は、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラ。
子供が病気にかかったりし、非常に過酷な状況での移動です。
それではなぜ国を出る決断をした人が多かったのか見ていきましょう。
移民の原因
参考文献に記した記事を参照し、原因を説明していきます。
食糧難
ラテンアメリカで最貧国のホンジュラスでは人口の約61%が貧困層で、約40%が食糧難で苦しんでいるとされています。
とうもろこし、インゲン豆などの主要な食物がエル・ニーニョ現象などの影響により、収穫量がかなり落ちているようです。
したがって、キャラバンには農業従事者が労働者の3分の1を占めているとも言われていました。
暴力組織
これらの国々では暴力組織「MS-13」と「La Mara 18」による犯罪が横行してます。
元々「MS-13」はアメリカでエルサルバドルの移民を守る暴力組織でしたが、現在は中米で犯罪行為をしています。
それに対抗するために「La Mara 18」されましたが、こちらも犯罪行為を行うため、安心して暮らすことが非常に難しいです。
また、殺人件数も多く、ホンジュラスでは3866人が殺害されています。
政治が不安定
ラテンアメリカの国で多いのですが、ホンジュラスも汚職・癒着が横行しています。
任期が定められているにもかかわらず、癒着により再選を果たすなど、理解し難い状況になっています。
キャラバンへの対応

アメリカの対応
トランプ大統領は元々メキシコからの移民にも厳しい姿勢をとっていますが、今回も例外ではありません。
支援金の支給を中断、警備隊の配置、受け入れの厳格化などさまざまな対策を取りました。
また、審査中の移民はアメリカではなく、メキシコで待機するように命じ、アメリカ国内に逃走できないような対策を取りました。
メキシコの対応
一方メキシコでは比較的寛容な対応をしました。
メキシコのペニャニエト大統領は移民集団を対象にした就労や医療面での支援策を発表し、移民の保護に乗り出しました。
メキシコは正式な入国手続きか難民申請をし、かつグアテマラと国境を接するメキシコ2州に滞在している移民を対象に一時的な身分証明書を発行すると発表しました。従って、現地での就労、医療のほか子供の教育に関しての支援プログラムが受けられます。
さらに帰国を促すためにバスも手配しました。
不法移民に対しては厳正な態度を取っていたものの、ロペスオブラドール大統領は「メキシコで働きたい中米出身者には滞在許可も雇用も提供する」との方針を表明しています。
2021年のキャラバン

2021年1月20日の現状
現在はキャラバンはメキシコに到達しておらず、グアテマラで約9000人が確認されました。そこでグアテマラ治安当局と押し合いになって負傷者も出ています。彼らは山や川に逃げ込んだようです。その後約3500人が既にホンジュラスに送り返されたと報告されました。すでに国境を閉鎖したメキシコも、バスを出して移民らの本国送還を支援しましたが、多くの移民は乗車を拒否しました。
移民の原因は前回と大きく変わりませんが(台風の影響は追加で考えられますが)、このタイミングで再び動き出したのには理由があります。それは1月20日に反移民政策のトランプ政権からバイデン政権に変わることによる待遇改善の期待です。
この事態に対してバイデン政権はアメリカ国境を目指さないように呼びかけを行なっているようです。まずはアメリカですでに生活している人たちの対応に当たる予定です。
中米では新型コロナウイルスの陰性証明が要求されているものの、多数が無視して国境を渡っているという報道もあります。
メキシコではまだ新型コロナウイルスの影響は深刻であるため、感染対策と移民対応を上手く対処しなければなりません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このご時世に再び動き出したことに恐怖を覚える人も少なくないでしょう。
2018年の移民の動向に関して詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
メキシコについて詳しくなるための本も紹介しています。ぜひご覧ください!
DELE用に全レベルの参考書・文法書・単語帳をまとめた記事があるのでぜひこちらからご覧ください!!
参考文献
https://toyokeizai.net/articles/-/249207
https://www.bbc.com/japanese/47746193
https://www.news24.jp/articles/2019/12/01/10553741.html
https://www.afpbb.com/articles/-/3326643
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1504N0V10C21A1000000
https://www.bbc.com/japanese/55702104
https://www.afpbb.com/articles/-/3327226?pid=22997056
コメントを残す