【2021年版】グアナファト・バヒオ地方の治安の実情と対策まとめ

グアナファト・バヒオ地方の治安について

皆さんこんにちは!今回はバヒオ地方の治安の実情について解説していきたいと思います。

日系企業や日本人駐在員が多く集まるバヒオ地方。今回は、イラプアト、アグアスカリエンテス、シラオ、セラヤ、グアナファト市、レオンの治安情報をお伝えしたいと思います。

メキシコ公安省の発表では、グアナファト州の2019年度第1四半期の犯罪発生認知総数は35,355件と、前期比5.7%増となっています。また,殺人発生認知件数(行為殺人のみ)については656件と9.7%減少しています。

グアナファトでは、軽犯罪が増加、殺人などの重犯罪が減少傾向にあります!

バヒオ地方で軽犯罪が増加している理由

バヒオ地方で軽犯罪が増加した理由は、グアナファト州の治安当局からの情報によると、グアナファト州の治安悪化の原因となっていた2大犯罪カルテルの一掃を目的に2019年3月にメキシコ政府より軍が投入されたことにあります。

この作戦により、市警察、検察、連邦警察が連携し一掃作戦が行われており、その成果が行為殺人事件の減少に繋がってきていると説明されています。

しかしその一方、カルテルの一掃作戦が開始されたことにより今まで維持されていた犯罪組織のバランスが崩れ、車両強盗や空き巣等の軽犯罪が増加傾向にあり、現在はこれらの取締りを強化すべく連邦警察と地方警察含め対策を強化しているとのことです。

実際、グアナファト州で発生している殺人事件の8割は麻薬やガソリン窃盗組織との抗争によるものとされています。そのため、不特定多数を狙った殺人事件ではないと認識されています。

しかし、抗争が市内で行われることも多く、その場合銃の流れ弾や爆発等による一般人の死傷事件も発生していることから、引き続き在留の日本人に対しては警戒が必要です。

さて、ここからは都市別の治安情報をお伝えします。

グアナファト市の治安について

グアナファト中心地は基本的に治安が良いです。周りを見てみると、カメラを首から下げていたり、携帯を持ちながら歩いている人も目に付くのではないでしょうか。

しかし、一般的に気を付けなければならないスリや置き引きには気を付けましょう。(当然です)

基本グアナファトは安心して大丈夫ですが、以下の場所、時間は気を付けましょう

ピピラの丘までの道と小道は気を付けて!

さて、グアナファトの絶景景色と言えばピピラの丘でしょう。ピピラの丘とは、メキシコ独立戦争のときに独立軍の先陣を切って戦いに行ったピピラという男性のために作られた銅像です。

ピピラの丘に行く方法は3つあります。

一つ目は徒歩。

二つ目はゴンドラ。

三つめはタクシー。

恐らく普通の人はゴンドラで行くと思うので治安の心配は必要ありません。タクシーもあまりメリットを感じない(ゴンドラで行けるため)ので使う人は少ないでしょう。

肝心なのは一つ目、徒歩で行くときです。ピピラの丘の見どころは先程も説明した通りの絶景なのですが、それを満喫するのはやはり「夜」なんですよね。

ゴンドラで行けばすぐピピラの丘ですので問題はありませんが、徒歩で行く場合は丘を登らなければなりません。

グアナファトは盆地です。つまり、平地部分に観光客がいるようなセントロがあり、その周りを住宅地で囲っているという地形です。

この坂道、小道が幾多にも入り乱れているのがグアナファトの特徴なのです。

この細い道では夜に危険なのはご想像の通り。なるべく地元の人と歩くか、一人では歩かないようにしましょう。

被害日時被害場所被害者使用武器被害状況
2019/6/29 午後 グアナファト州
グアナファト市    
レストラン内
出張者    窃盗 (置き 引き) 食事を終えて清算しようとした際に、
背もたれに掛けていた鞄が無くなって
いることに気が付いた。
鞄の中には現金類と旅券が入っていたため、
店側に「見つかったら連絡が欲しい」旨を
伝えたところ、翌日現金類だけが抜かれた鞄が近くで発見された旨店側より連絡があった。

荷物は必ず身から離さないようにしましょう!

レオンの治安について

続いては、グアナファト州の州都であるレオンです。

レオンはグアナファト州最大の都市です。革やそれを用いた靴産業がとても活発で、メキシコ全土の約7割の靴がレオンで生産されているのです!レオンの靴と革の質は世界的に好評を博していて、一年を通して多くのビジネス展示会やイベントが開催されています。

日系企業の進出の相次ぐバヒオ地域のほぼ中心にあります。

日系企業の相次ぐ進出とそれに伴う日本人の増加によって、2016年から日本総領事館がレオンに置かれているほどです。

レオンの治安は、グアナファトと比べて悪いです。

その悪いとはメキシコの大都市のそれと同じくらい。気を付ける事には十分に気を付けて行動するようにしましょう。レオンの地域の中で特に悪いと言われているところは、

  • サン・イシドロ(San Isidro)
  • エル・コエシージョ(El Coecillo)
  • ラ・マルティニカ(La Martinica)

レオンの街中では日本人が増えてきているとはいえ、アジア人と言えば日本人となるくらい日本人のイメージが強く、特にお金を持っているというイメージを持たれがちです。

置き引きやスリには十分に気を付けましょう。

特にレオンの街中を移動する際はタクシー等が一般的だと思いますが、配車サービスのタクシー(uber, cabify)が利用できるとより安心です。

イラプアトの治安について

イラプアトでの治安情報です。

イラプアトでまず気を付けて頂きたいのはバスターミナルです。多くの中継地でイラプアトのバスターミナルはセントロとのアクセスも非常に近いうえに規模が比較的大きいです。よって、イラプアトのバスターミナルには様々な人が行き交います。

イラプアトではスーパーなどでの車上荒らしにお気を付けください。

コンビニエンスストアやマーケット等の駐車場における車上荒らしが, 引き続き発生しており,これら店の立地や利用する時間帯に良く注意するとともに,車両を離れる際は貴重品の放置に注意が必要です。

シラオ・セラヤの治安について

出典:silao de la victoria

さて、ここからは特に日系企業が多い地域になっていきます。今までグアナファト、レオンは都市でしたので人通りの多いところは安心できるような、逆に気を引き締めなければならないような場所でしたが、ここからはより生活に意識をもって治安対策をしていく必要があります。

まずシラオとセラヤの治安ですが、軽犯罪が増えており、悪化傾向にあります。

なぜかと言いますと、先程述べたグアナファト州の2大犯罪カルテルの一掃によってシラオの治安バランスが崩れているからです。

今まで2代巨頭にあった組織が軍の一掃によって慌てているときにそのすきに勢力を拡大しようとしたり、組織が危なくなり自分の身も危ぶまれる中、さらなる犯罪に走る、、、などの循環が生じています。

特に注意していただきたいのは「信号待ちの間の強盗」「車上荒らし」「空き巣」です。

ここでは実際に起きた例をご紹介したいと思います。

被害日時被害場所被害者使用武器被害状況
2019/4/11 03:10グアナファト州 セラヤ市 在留邦人 強盗 (けん銃使用) 車両で信号待ちをしていたところ、
側道から出てきたピックアップトラックに道 を塞がれ,
同車両からショットガンを所 持して降りてきた3人組に、
銃口を向けられ,降車するよう指示された。
犯人ら は被害者の携帯電話と財布,車を奪って逃走した。
現場に残していった犯人らの車両には損傷があり、
逃走用の車両を探していたと思料される。

【シラオ】

【セラヤ】

アグアスカリエンテスの治安について

アグアスカリエンテス州 の犯罪は2019年4~6月で総数10,179件(前期比 14.1%増)でした。

ここで注目していただきたいのは、麻薬関連の犯罪が昨年同時期と対比し75.6%増加でしていること。つまり、麻薬関連の構想が激化しています。

それに影響し傷害事件も増加傾向にある ため,一般犯罪の動向にも注意が必要となっております。

アグアスカリエンテスも日系企業が数多くある街です。日々の生活には気を付けて下さい。

アグアスカリエンテスもきれいな街ですが、治安のよい場所と悪い場所のアンテナを張るようにしましょう!

銀行で現金を引き出した後に,つけられ強奪される事件も昨年同様に頻繁に発生しています。 銀行にて現金を引き出す際は,顧客の利用率の高い銀行や時間帯,警察官や警備員が常駐してい る場所を選ぶ等,出来る限り狙われるリスクを下げるよう心掛けましょう!

【治安対策】メキシコで気を付けたいこと

グアナファト州内では,麻薬やガソリン窃盗に関係する犯罪組織の抗争が激化しており,これら組織が関与した発砲事件や殺人事件,警察官を直接狙った襲撃事件も発生しています。

それら事件に巻き込まれないためにも、夜間の外出やそれら組織関係者が集まるようなバーやディスコ等の 出入りについて見極めて判断しなければいけないでしょう。道路上での強盗も発生していますので、普段から周囲の変化に敏感になれるよう注意が必要です。

また,凶器を利用した強盗も増加しています。この様な事件に巻き込まれないためにも,発出される領事メールには常に気をかけておきましょう。そうする事で、細心の治安情報を獲得でき、被害に遭うリスクを下げることができます!

治安悪化の原因と言われている組織について

メキシコを騒がせているガソリン不足問題.

その原因は何と、PEMEX内部も関与していたとみられる大規模な石油窃盗に対する軍隊を派遣した取り締まりを行ったからだというのです。油送管からの窃盗横行でPEMEXが輸送の中心をタンクローリーに切り替え、供給不足が発生したといいます。しかし、この横領事件にはPEMEX内部が関わっているとのうわさもあります。

PEMEXとは、メキシコ国営の石油運営会社。メキシコで見かけるガソリンスタンドはほとんどこのPEMEXですよね。

この驚愕事実が発覚し、ニュースで流れると、ガソリンが手に入らないとうわさが流れ、国民はガソリンスタンドに駆け込みました。そしてガソリンの在庫がなくなり、供給が間に合わなくなってしまいました。

このように、全国を巻き込んだガソリン窃盗事件、これが組織的な犯罪であり、それがグアナファト州でもあった、とのことです。

メキシコと言えば麻薬と思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

この記事でも挙げた通り、メキシコの治安は麻薬組織が多くかかわっています。そのメキシコの麻薬事情についてまとめました。

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渡邉海也
メキシコシティに留学をしていましたカイヤと申します。スペイン語、アグリビジネス、移民問題をUNAMで学び、空手をメキシコでも稽古をし国際交流、そしてPinbox S.A. de C.V. でインターンという三本立てで生活をしていました。メキシコ滞在を通して感じたことを皆様にシェアできたらと思います。よろしくお願いします!