NORIのめざせ!メキシコちょっとだけフリーク ~第5回 恋をしようよYeah!Yeah!~
こんにちは、NORIと申します。2001年からメキシコ中部に住んでいます。メキシコ歴ちょうど20年くらいのおじさんで、事業コンサルタントをしています。詳しくはプロフィールをご覧ください。宜しくお願い致します。
少し「ピクッ」ときた…かもしれない今回のテーマ。(ちなみに、頭の中で女性ボーカルの歌が流れた方、私と同世代です!)
私の記事を読んで頂いている多くの方々が、若かろうが歳を取ろうが、いつかどこかで一度は体験した、あるいはするであろう、「恋」。
すごく普遍的なテーマではありますが、特に日本国内に居るとなかなか大っぴらに語るのが難しい、特に家庭を持ち、歳を取ってくるとなおさら…というところがあるでしょう。
でも今回は敢えて、このメヒナビの場をお借りして、「恋」というキーワードを通してメキシコの様々な点に一緒に理解を深めていければと思っています。
メキシコでの付き合うことの意味~メキシコ人の彼氏・彼女~
メキシコシティ生まれの知り合いは恋をamor platónico (プラトニックな愛)と表現していましたが、そういえば彼はお母さんが日本人、お父さんがメキシコ人でした。
私事ですが、1970年代に私の叔母が日本で働いていた米国人と結婚することになったときは、まだ国際結婚がそれほど身近でなかったこともあり、また相手の米国の方は身長がとても高いこともあり、初めて紹介されたときは一族郎党慌てふためいたそうです。
ただそのせいか、私がメキシコ人の奥さんをもらうことになっても一族の反応は非常に冷静でしたが。
一方現在のグローバルな世の中を見ると、SNS一つとっても人同士のつきあいが簡単に、言語や国、文化の垣根をひょいひょいと飛び越えています。
もしかすると、それに伴って「つきあう」スタイルも変化しているかもしれません。これはメキシコでもいえる事。
日本の厚生労働省が「人口動態統計」を発行していますが、これを基にしたデータですと2010年代は日本人が外国籍の方と婚姻する件数は年に20,000件をちょっと超えるくらいで横ばい、2000年代から見ると実は増えていると思いきや、少し減っている感じです。
統計上だけだと日本側で偽装結婚の取り締まりが厳しくなったりした影響もあるようですが、SNSの普及や事実婚(役所に婚姻届などを出さないが、事実上パートナー同士が結婚生活を送ること)がより広く行われるようになるなど、伝統的、或いは法律的な手段に拠らない「つきあい」を表す現象の一つかもしれませんね。
またメキシコでも、LGBTや同性婚をめぐる様々な議論を至る所で見かけるようになった一方で、「従来型」の恋愛や結婚に関する価値観を守ろうとする動きも活発です。
でも個人的には、恋は国籍、人種、そして場合によっては信条や性別さえも選ぶことが出来ないものだと思います。
メキシコでの恋愛のコツ:やっぱり話すことは大切。話すネタ、持ってますか?
前置きが長くなりました。
外見だけで述べると、メキシコの方は実に多様です。
「つきあい」のレベルがどういうものであっても、ここに住んでいると外見で人となりを想像するようなことが無くなりますし、そもそもする意味もなくなります。
特に若いうちは外見に影響を受けやすいのは致し方無いところかなと思いますが、それでも大事なのが「実際に話してみること」。
恋人であるかないかを問わず、メキシコの方々は概ねこちらから声を掛ければおしゃべりをしてくれる人が多いと思います。
第2回でも触れた通り、コミュニケーションは人間の証明ともいうべきもので、知らない人でも気さくに挨拶を交わす習慣がありますので、まずはファーストステップとして心がけましょう。
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コミュニケーションについてもうちょっと話すと、メキシコ人側から日本人の付き合っている相手に対して良く聞くのは
日本人は口数が少ないのでこちらが退屈することが多い…
というもの。
確かに、学生さんでも職場の仲間でも、メキシコの方々は集まれば誰かが口を開いておしゃべりをしようとしますし、その内容も実に多彩です。
一方、日本人側はというと人にもよると思いますが、何か話をする「必要」を感じてしまって、どうしても身構えてしまうことが多いのではないでしょうか?
理由は色々でしょうが、「何を話したら良いのか分からない」というのがあるかと思います。
確かに、外国の方と付き合う場合には育ってきた背景、生活習慣、教育、ひいてはそれぞれの国の芸能ネタに至るまで異なります。
同じ学校で勉強している等の共通点があれば、この点は少し楽になりますが、そうでない場合には試行錯誤の連続です。
そこで、「相手の文化や習慣、トピックになりそうな出来事を知る」という作業が自然と、発生してきます。
私がメキシコ留学の頃やったのは(別にお付き合いがしたいからやっていたわけではないですが)、テレビで朝ニュースを観る、若者向けの雑誌を買ってめくる、FMラジオで音楽を聴く、というのが多かったです。
これによって、メキシコで起こっていることや流行に対しての知識が、何となくですがついて人と話をするのにもある程度ですが役に立ちました。
スペイン語がそれほど分からない人でも、特にテレビや雑誌といった視覚情報は便利です。
関係が深まっていくと…
つきあいが長くなってくると、相手の家に招待されて一緒に向こうの家族と食事をしたりする機会も出てきます。
ここでも先程お話した通り、何を話せば良いか分からないという状況に遭遇するかもしれません。
しかし、余り緊張することはありません。
あなたが「聞き上手」であれば、この辺りはある程度クリアー出来るかと思います。
それは、メキシコの方々は概ね太平洋を跨いでやって来た日本人や日本の文化・習慣に関心を持っており、特に日本人と普段交流の無い家族であれば、例によってお話好きに色々な質問をされるでしょう。
時には、私達が日本に居ると想像し得ないような質問が飛んでくることもあります。
例えば、私が今は妻であるパートナーの家に一番初めに招待されたとき、彼女の母親がしてきた質問は、「日本では今でも奥さんが旦那さんの3メートル後ろを歩くのか」でした。
異なった文化を持つ人と話していると、時に目玉が丸くなるような質問をされたり、下手をするとある意味差別的だったりします。
でもそれは、日本に居て「メキシコ人はしょっちゅうタコスばっかり食べているのか」という質問をするのと同様ですね。
こういう場合相手にも、差別的な意図はないと言っていいでしょう。
こうした質問にも身構えることなく、一般的なことや自分の考えを率直に述べればよいのではと思います。
アドバイスとしてはメキシコ人にとって家族は社会の根幹をなすキーワードですので、家族に招待されて、良い関係を築くことが出来ればそれに越したことはありません。ただ、恋愛に関しては付き合っている相手との関係が重要なので、家族に対しても余り身構えず自然体で接すればいいと思います。
デートでは身なりに注意!日本人より気にする「ふさわしい身なり」
また付き合いが深くなれば、コミュニケーションのある無しに拘らず二人だけでデートに行ったりすることも出てくるでしょう(ドキドキ)。
私が留学生の頃は身だしなみなどほとんど気にしなかったのですが、最近中学を卒業した息子がデートをするようになって、彼は異常なまでに気を遣っているのを見て、色々と考えさせられます。
見た目が全てというつもりはないのですが、メキシコに居るときには場所や状況に応じて「相応しい身なり」を心掛けた方が、恋愛に限らず相手側とうまくやっていけるという考えを持っている人は多いです。
高価な物を身に付ける必要はないでしょう。
でもスニーカーを1年以上洗っていなくて泥だらけとか、Tシャツが破れているとかは相手にドン引きされたり、場所によっては(クラブなど)中に入れてくれない可能性があるので気を付けましょう。
さらにドキドキの部分としては、我々日本人が慣れていない「体に触れる」点です。
メキシコ人は少し仲の良い人であれば、抱擁して挨拶したり、女性と男性だと頬を合わせる挨拶をします。
カップルであれば地下鉄やバスでも抱き合ったりキスをしたりしていますが、「公共の場所でけしからん」などという人にこちらでは会ったことが無いです。
前述の身なりのところと同じで、言葉などとはあんまり関係のない部分ですが、自分の気持ちを伝える手段としては非常に重要な部分である一方、これもこちらでは皆やっていることです。
郷に入っては郷に従え、関心を持ってアプローチしてみましょう。
恋人と仲良くすごせますように…!
18歳未満の読者さんもおられるかと思うので、このあたりで止めておきます(笑)。
ただ結婚の話に戻ると私は職業柄、メキシコ人と日本人の方が結婚する際の婚姻届けを翻訳する作業を良く行っています。
ここ数年ですと、1年間に5件くらいはあるでしょうか。
他にも同じようなことをやっている人がいるので、そうすると毎年相当数のカップルが誕生しているということになります。
日本では同じアジア圏の国々の方と一緒になることがまだまだ多いようですが、メキシコ人のパートナー、実は日本とメキシコの関係が深くなるのとともに、隠れたトレンドになりつつあるかもしれません。
では、また来月も宜しくお願い致します。
1996年~98年にグアナファトに留学し、 卒業後2001年からメキシコに住んでいます。日系自動車部品メーカー勤務の後、『メキシコに物を売りたい』『メキシコで事業をしたい』人や企業さんのお手伝いをしており、並行して公式文書の翻訳や、同時通訳もやっています。いつでも相談に乗ります。