家族が病気になったら?
「海外で病院に行く」となると、かなりハードルが高く思えます。
私の場合、子供と共に主人の駐在へ帯同していたので、赤ちゃんのころ病気になると、軽いパニックに陥っていました。
もちろん言葉の壁からくる不安があり、また、そもそもどこへ行ったら検討もつかない、ということです。
あまりに不安で最初のころは、せっかくお医者さんにかかっても、「本当にこれで大丈夫なわけ?!」とメキシコの医療への不信感も募らせていたのは事実です。
今思うとかなり恥ずかしいです・・・。もちろん大丈夫でした。
実際、私たちが思っている以上にメキシコの医療は発展、もしくは日本より進んでいる分野もあります。
ご家族が病気になっても、まずは落ち着いて病院を選び、診てもらいましょう。
メキシコの医療の現状
貧富の差が大きいメキシコなので、医療の差もはっきりとそれに反映されています。
駐在や留学でメキシコに行かれる方は、どのような保険にご自身が入っているのかをきちんと確認しましょう。
会社がカバーしてくれるもの、してくれないものを知っておく必要があります。
保険によっては病院の種類が指定されていたり、通訳を申請できたりすることもあるそうです。
また、どのような領収書が必要かもチェックしてください。
それでは、どのような病院の種類があるのでしょうか…。
病院の種類について
薬局の中にある診療所(予約なし)
出典:civico
San Pablo,Superamaなどいくつもの薬局やスーパーの中にある診療所(consulta)
こちらはとても安いです。
庶民の病院という印象で、並んでいることが多いです。
診察時間は長く(私がいた近所の薬局では朝7時から夜21時まで年中無休でした)、50ペソ程度で簡単な診療をしてもらえます。
ただ、何の専門医かは不明だけれどもお医者さんがいる、というざっくりとした印象です。
なので、専門医を要するケースや、症状がひどい場合はお勧めできません。「軽い風邪かな?でも、買う薬が分からない・・」という時には、行ってみる価値はあります。その後、横の薬局ですぐ薬も買える利点もあります。
・メリット1 気になったらすぐ行ける!
・メリット2 値段も安い
・etc…
・メリット1 安いため混んでいることも
・メリット2 医者の見極めが必要
・etc…
・政府が運営しているもの(IMSS,ISSSTEなど)
出典:mexiperience
こちらは、メキシコの会社に就職している人が会社で保障されている社会保障機関です。
私自身未体験ですし、正直メキシコ人からもあまりいい噂は聞きません。
とにかく待たされる、医者の質がひどい、など。ただ前述の通り、貧富の差が激しいメキシコ、ここでもいいから行きたいという方がいるのも事実。実際、留学や駐在で日本人の行かれる方はほとんどいないかと思います。
私立系(要予約)
Hospital Angeles,Hospital ABC,Hospital Españolなどが大きな系列の総合病院です。
いわゆるお金持ちのメキシコ人やアメリカ大使館はじめ外国人が通っているので信頼度は大きいです。
ただ、紹介でよいお医者さんと出会えるので、知り合いのメキシコ人に聞いてみるのが一番良いかと思います。
このような大手ですと、英語が話せるお医者さんがほとんどですので、言葉に不安がある方にはおすすめ。
ただ、診察料は高くなります。私が通っていたところは、カードが使えなく、現金のみのところでした。
そのため、予約する際はきちんと確認しましょう。お子さんの予防接種の種類も多く持っています。日本ですべて打つことができなかった場合でも、こちらで補うことはできるので、安心できるかと思います。
かかりつけの方を見つけられると、診察後も携帯でその後のやり取りや相談もできるようになります。お医者さんといい関係を築く大切さを知りました。
また、総合病院ですので、救急(urgencia)もあります。その際には紹介云々なく受け入れてくれるので、直接へ行きましょう。日本と違い、救急車は無料でなく、到着まで時間がかかります。そのため、緊急の場合は自家用車もしくはタクシーで行きましょう。
・メリット1 あらゆる分野の医療を受けられる
・メリット2 高いレベルの医療なので安心感がある
・etc…
・メリット1 なんといっても高い
・メリット2 基本的に予約制
・etc…
その他
もちろん日本のように個人で歯科、皮膚科、眼科、産婦人科などもあります。
また、日系人の方を探してみてもよいかと思います。また、往診をしてくれる先生もいます。
身動きが取れない、言葉もわからないというときには大変助かります。
ただ、どのケースも口コミといった紹介が大きな鍵になるので、まずは日本人・現地の方の知り合いの方々に聞いてみるのが良いかと思います。
・メリット1 私立系の総合病院よりは安く、良い医療を受けられる
・メリット2 日本語を話せる方だと安心感も
・etc…
・メリット1 自力で見つけるのは大変。
・メリット2 数が少ない
・etc…
私も子供や自分の体調をみて臨機応変に病院を選んでいけるようになるのには時間がかかりました。
でも、日本でも新しい土地へ引っ越したら近所のお医者さんをいくつか試してみますよね。
あらゆる病院を試して信頼できるお医者さんを見つける、というのは世界共通かと思います。
薬の種類
薬事法が異なることもあり、日本より強いかな?というのはメキシコ問わず海外ではよく聞きます。
多くの種類の薬を処方箋なしで買うことはできますが、最初は怖いので診察をすることをお勧めします。
特にお子さんへの薬は服用量が薬箱に書かれている量と異なることもありますので、必ずお医者さんに掛かってください。
飲みなれた薬がある場合は日本から購入している方もいましたが、大抵のものはメキシコで購入可能です。慣れてきたら常備薬として置いておくと安心です。
ここではいくつかご紹介したいと思います。
解熱剤 Motrin
(こちらは、赤ちゃん、小児用から種類豊富。熱を下げるほか痛み止めの働きもあり頭痛の際も)
Tempra
(こちらも赤ちゃん用からシロップであります。熱を下げる要素がMotrinより強いとお医者さんに言われました)
アレルギー剤 Allegra
(日本でもおなじみアレグラです)
(抗ヒスタミン剤のアレグラ。日本のように花粉はひどくないとはいえメキシコシティでは乾燥やほこりでアレルギー反応を起こす人も多い)
Clarityne
(こちらも日本と同じくクラリチン)
その他、風邪薬、腹痛用などなど・・・
ただ、目薬に関しては日本より種類は少なく高いという印象です。また、コンタクトも同様です。余裕があれば日本で購入することをお勧めします。
画像出典:SanPabloのホームページより抜粋
最後に
正直、病院通いは慣れるまで驚きの連続でした。
治療への考え方が日本とは違うことをまずは理解してください。
例えば、「すぐ注射しよう、すぐ解熱剤を飲めと言われる。」と思うかもしれません。
でも、それは所変われば、なわけでして、どちらのタイプの医療が悪いとかはないと思います。
早く病気を治して苦しい時間を減らしてあげたい、という西洋医学の考えを持つメキシコでは、日本の当たり前は通用しません。
例えば、日本だと解熱剤を乳幼児へ積極的に薦めるお医者さんは少ないかもしれません。しかし、メキシコでは37.5°以上になったら子供の機嫌云々あげてくださいと言われました。
また、インフルエンザの予防接種回数も違います。最初は戸惑いましたが、自己判断ではなく受け入れることも大事だと感じました。
また、薬剤師さんに薬を頼んでから購入するということもメキシコではありません。
診察の際、お医者さんに処方箋(receta)をもらい、その指示通り薬局で薬を買います。なんと、注射や抗生物質までも個人での購入になります。
抗生物質(antibiótico)に関しては、少し厳しめ?となっています。
お医者さんが2枚処方箋(receta)を書いてくれてるので、そのうちの1枚サインの入ったものを薬局に渡して買う仕組みです。
言葉や文化の壁で難しいこともある通院。
でも、我慢して悪化させては、楽しいメキシコ生活も送れず元も子もないので、勇気を出して始めて見てください。
薬局でもお医者さんにどんどん聞いてみましょう。きちんと親身になって教えてくれますよ!