コロナ禍で進むか?メキシコの働き方改革とデジタル化について

NORIのメキシコ!ビジネストレンド~働き方のデジタル化~

こんにちは。あなたの会社のメキシコ事業を応援する企業、プロデンサの川村と申します。

私は、2001年からメキシコに在住しています。また、今のお仕事の前は、日系企業でのべ12年勤務した経験もあります。

ささやかながら、私の経験が日本とメキシコの良き橋渡しになってくれればと思います。宜しくお願い致します。

1996年~98年にグアナファトに留学し、 卒業後2001年からメキシコに住んでいます。日系自動車部品メーカー勤務の後、『メキシコに物を売りたい』『メキシコで事業をしたい』人や企業さんのお手伝いをしており、並行して公式文書の翻訳や、同時通訳もやっています。いつでも相談に乗ります。

さて、以前は「メキシコ!ちょっとだけフリーク」というタイトルで、メキシコ生活に関するコツやポイントを6回に亘って説明しました。

今回からの6回は、我々プロデンサが1985年から、主として外国からメキシコに来られたり、またメキシコに輸出したりしてビジネスを行っている企業さんへのサポート経験を通して、「メキシコビジネス」の最近や将来に関する、あれこれを綴っていきます。

トレンドの中には、グローバルでは決して目新しいとは言えないものもあるかと思います。

しかし、ここでのポイントはそうしたトレンドがメキシコという土壌でどのように捉えられ、発展していくのか、そして日本の企業としてこれをどのように考えていくべきなのか、などの個別性についても、可能な限り触れていくつもりです。

というわけで1回目は、働き方のデジタル化について話していきます。

メキシコでの働き方のデジタル化はどのように進む?

メキシコの求人情報

私がこの記事を書いている現在、世界はCOVID-19、いわゆる「コロナウイルス」の脅威の真っただ中にあります。

メキシコでは連邦政府政令により、医療関係などの「重要な産業」を除いては、事業所の操業を5月末まで行わないこと、と指示が出ており、違反した場合には企業等が罰則の対象となっています。

コロナ関連については、メヒナビ含め色んなところから山のように情報が入っていると思いますので、大事なことですがここではしばし休憩…ということにしましょう。

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一方で、工場やオフィスなど、職場の仲間が一斉に集合して仕事をするスペースではなく、自宅などからインターネットを介して行う、いわゆる「テレワーク」に、今回のコロナ騒ぎで(やむを得ず)移行している企業の方も、少なからず居られるかと思います。

また、実際にテレワークを行ってみて、

あ、今まで皆で集まってやっていたけど、ビデオ会議でも全然大丈夫じゃないか!」

なんて、気が付いた方々も多いのではないでしょうか??

工場の現場などでは難しいと思いますが、今回のコロナ騒ぎを通して、テレワークのメリット、デメリットを深く考えておられる方もおられるかと。

働き方のデジタル化の先に見えるものは

 弊社情報システム部 部長のエクトル・ソトが描く、デジタルトランスフォーメーションや、働き方のデジタル化がもたらすメリットとは、以下のようなものです。

1) ビジネスの効率化

デジタル化により、仕事のプロセスや、それにかかる時間を短縮したり、無駄をなくし、より利益を上げることが出来るチャンスとなります。

2) 具体的な目標を設定する良い機会

デジタル化により、何をどう、どこまで改善していきたいのか、等を経営者自身が認識することで、目標のマイルストーン管理を行うための、良い機会を作ることが出来ます。

3) イノベーション

企業全体で、今までの手順、ルール、慣習などを根本から見直したり、若い世代の社員に積極的に耳を傾けることが必要になるため、既存の枠に捉われない、斬新でな発想が期待できます。

つまり、デジタル化により、会社が変わることが大きなメリットなのです!

デジタル化のツールいろいろ

マシンラーニング(機械学習)… アルゴリズムを用いて、過去のパターンを認識し、新たなパターンを予測します。ネット通販等で、これまでの購入履歴から「お勧め」を提示したり、既に身の回りで良く使われています。

いまのAIのシステムやサブスクリプションもこのツールを使っています。

クラウドコンピューティング(クラウド)… ネットを用いた、コンピュータ資源の提供を行う形態を広く差します。「クラウド保存」などで、資料をオンラインで管理したりすることは、ポピュラーですね。

デジタルセキュリティ… これまでは、社内での対策がほとんどでしたが、これからは、クラウドなどの利用が増えることにより、外部から来る脅威にどのように対処していくかを、もっと考える必要が出てきています。

日本の企業ではシンクライアントPC等を使うことでこのデジタルセキュリティに取り組んでいますが、このコロナ禍で多くの企業が在宅勤務を急に進めたことでサーバー負荷によりシステムに繋げないなどの問題が生じてしまいました。

メキシコでのデジタル化に特徴的なこと

前述の内容はデジタル化を行うにあたって、世界各国で共通に考えられることかと思います。

しかしデジタル化の導入にあたって、メキシコの場合どのような課題がありがちなのでしょうか?エクトルに聞いてみました。

「まず一般的に、日本に限らず外国企業のエグゼクティブの方々は、メキシコがデジタル化のために持っているインフラや、これを供給するサプライチェーンについて、強い疑問を抱いていることが多いです。

端的に言えば、

本社で使っているシステムを、メキシコで本当に導入できるの?

という疑問です。

したがい、デジタル化を行うその前に、クライアントと十分な時間を取り、良く話し合いを行って、外国で用いられているITインフラをメキシコで導入することは、十分可能だということを理解してもらう、コンサルティングの過程が重要となります。

次に、デジタル化導入のプログラムマネジメントが重要です。

先程「導入が十分可能」と書きましたが、例えば外国の本社で使っているシステムをそのままメキシコに持ち込んで、はいじゃあこれを使ってください、ということではありません。

例えば、以下のようなプロセスを導入スケジュールに考慮して、実行、結果の確認、対策などのマイルストーン管理を行っていく必要があります。

デジタル化に向けた理想的なプロセス
  • インフラを供給するサプライヤーにはどのような業者があり、それらは信頼できるサービス・商品を提供できるか。
  • インフラの構築方法は、他国(本社等)と全く同じで良いのか、それとも変える必要があるのか。
  • インフラは、メキシコのローカルルール(税金、人事などに関する法規等)に対応している、あるいは対応させることが出来るか。そのためには、いつどこで何をすべきか。
  • 導入の方法として、例えばクラウドを用いたリモートな導入が出来るか。或いは、メキシコで物理的に確保しなければならないインフラ、ハードは何か。

そしてこれらと共に重要なポイントとして、エクトルはメキシコでの「インフラのユーザーへの教育の重要性」を挙げます。

「我々が実務支援企業としてお客様の工場などで良く見かける例ですが、折角立派なインフラ、システム、ソフトウェアがあっても、メキシコのオフィスや工場で働くスタッフが、十分に教育を受けていないため、それらを使いこなせなかったり、或いは教育不足で誤った使い方をして、工場の運営や品質管理に支障をきたすことがあります。」

良く聞かれるのは、トレーニングに掛ける時間やお金が無いので、現場でOJTで済ませてしまうというパターンです。しかし、OJTでは実践は身についても、理論が良く理解できていなかったり、そのためにシステム操作や入力を間違ってしまっていたりすることが往々にしてあります。

また当然のことではありますが、生産現場などで使用するシステム、ソフトウェア等については、日本語や英語だけでなく、スペイン語(スペイン語圏は多くの国・地域に亘るため、可能であればメキシコで使用されるスペイン語)での表示・操作が可能なように設定をする必要があるかと思います。

最後に私見ですが、デジタル化がどんなに進んでもこれを用いるユーザーが人間同士である限り、人間としてのコミュニケーションは疎かにすべきではないと思っています。「人」という漢字が示す通り、何事も前向きに協力して進んで行きたいものですね。

では、また次回もよろしくお願いいたします。

提供: grupo prodensa

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Nori
メキシコ事業コンサルタントです。 1996年~98年にグアナファトに留学し、 卒業後2001年からメキシコに住んでいるおじさんです。 以前、現地日系自動車部品メーカーで延べ12年働きました。 妻はメキシコ人です。 歳なのでトルティージャも米も最近は控え気味です。 何かご相談があれば、いつでもどうぞ。