今回のテーマ:受身文
今回は受身文について勉強していきましょう!
スペイン語には大きく2つ受身の形があります。
・Ser受身文
・Se受身文
この2つを解説していきたいと思います!
結構沼が深い分野だと思うので、簡単にさらっていきながら、
少し難しい部分にも踏み込んでいきます!
Ser受身文
直接目的語を主語化してフォーカスするのがこの構文の狙いです。
ここで例文をみていきましょう!
El maestro abrió la puerta ayer.
(その先生は昨日そのドアを開けた。)
La puerta fue abierta por el maestro ayer.
(その扉は昨日その先生により開けられた。)
着目すべきはココ!
・直接目的語だったla puertaを主語にする
・時制はabrióが点過去だからserもfueに活用させる
・la puertaは女性単数だからabrirの過去分詞はabiertaになる
・動作主のel maestroがpor句にくる
沼にハマりたい人は以下のser受け身の部分も読んでください。
頭がこんがらがったら気にせずSe受身文の説明にGO!
①能動文の間接目的語は受動文の主語になれない!
Ella envió el paquete a Pedro.
(彼女はペドロに小包を送った。)
○El paquete le fue enviado a Pedro por ella. (直接目的語が主語に)
(小包は彼女によってペドロに送られた。)
×Pedro fue enviado el paquete por ella. (間接目的語が主語に)
②完了動詞を使うことが基本と上に書いたが、どういうことか。
例えば、abrir, descubrir, empezar, construirはある時点で終結しますよね。
これが完了動詞。
しかし、conocer, querer, leer, buscar はある時点で終結しないですよね。
これが未完了動詞。
基本的にはser受け身には完了動詞が使われます。
しかし制限はありますが、未完了動詞もser受け身に使えます!
・por句の行為者が総称(todosなど)、もしくはpor句なし
○Él es conocido por todos.
(彼は皆に知られている。)
×Él es conocido por Juan.
なので、基本的には完了動詞とser受け身がセットになっていて、
未完了動詞は機械的にser受け身にできないと知っておくと良いですね。
Se受身文
Seを使った再帰動詞の用法はいくつかあり、その中に再帰受身があります。
・Se+動詞は常に三人称単数・複数
・主語が事物だけOK、人はNG
・行為者をporを使って表せない
・主語は動詞に後置されることが多い
能動文の主語、つまり行為者を隠すことができる構文です。
Él vende computadoras a buen precio.
(彼は良い値段でパソコンを売る。)
Se venden computadoras a buen precio.
(いい値段でパソコンが売られている。)
着目すべきはココ!
・主語(行為者)のélを表さない
・目的語のcomputadorasを主語にするが、位置はそのまま
・venderを主語のcomputadorasと時制をみて再帰動詞として活用させる
沼にハマりたい人は以下のse受け身の部分も読んでください。
基本的にser受身文よりも使用頻度は高いです。
また、ser受身文の時に書いた完了動詞、未完了動詞問題はありません。
注意点
日本語では受身で書かれていても、いざスペイン語にすると受け身にならないことは多いです。
(A mí) Me robaron el coche ayer.
El coche me lo robaron ayer.
(昨日私の車が盗まれた。)
日本語は「盗まれた」と受動態ですが、
スペイン語は能動態で表されています。
スペイン語では能動文の方が受動文より好まれるということを覚えておいて、
「日本語で受け身だからスペイン語も受け身!」と考えるのはやめましょう。
まとめ
最後に比較した表を見て復習しましょう!
Ser受身文 | Se受身文 | |
主語の性質 | 人・事物 | 事物 |
主語の位置 | 文頭 | 目的語位置 |
por行為者 | ○ | × |
文体 | 文章語 | 制限なし |
動詞の種類 | 完了動詞 | 制限なし |
動詞の人称 | 制限なし | 三人称単数・複数 |
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終わりに
いかがだったでしょうか。
それほど使うことは多くないかもしれませんが、表現の幅を広げるために覚えておきましょう!
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参考文献
高垣敏博・他. (2015). スペイン語学概論, くろしお出版, 123-130
高垣敏博, & タカガキトシヒロ. (2010). スペイン語の “ser 受動文”―活動動詞をめぐって. 東京外国語大学論集, (81), 285-308.
・Ser動詞+過去分詞で表す
・主語は事物でも人でもOK
・行為者をporを使って表す
・過去分詞は性数一致
・文語的
・完了動詞を使うことが基本