【メキシコは実は肥満大国⁈】原因と対策は?オアハカでは子供にスナックの販売が禁止へ

実はメキシコの肥満率が世界でもトップレベルだということを知っていますか?

そこで今回はメキシコの肥満の現状とその原因と対策を見ていきましょう!

世界各国の肥満の現状について

まずは世界各国の肥満の現状について調べてみましょう。

メキシコの肥満率に関するデータがいくつかあるのでまずはそちらをご紹介します。

少し古いデータから紹介していきたいと思います。

国連食糧農業機関(FAO)が2013年に発表したデータによると、

2008年メキシコの成人の肥満率は32.8%です。これはOECD加盟国の中では最も割合の高い国でした。

ちなみに日本は最下位でした。 

タコス

成人の肥満の基準は WHOが示しているよ。
”20歳を超える成人は、体格指数(BMI)が30以上となる場合、肥満とみなされる。
BMIは、体重(kg)÷身長の2乗(m2)で算出される数字に相当する(kg/m2)”

 

順位 / 国名成人の肥満率
1位 メキシコ32.8%
2位 アメリカ合衆国31.8%
・・・
最下位 日本4.5%
出典:世界食料農業白書 2013年報告

次は国立統計地理情報(INEGI)と国家公衆衛生研究所(INSP)の2018年の調査です。

どちらもメキシコの機関です。

成人のメキシコ人男性の肥満率は30.5%、女性は40.2%とここでも高い数値が出ました。 

メキシコ人の性別と年代肥満率
成人男性30.5%
成人女性40.2%
出典:国立統計地理情報院(INGEI)、国家公衆衛生研究所(INSP)

そもそも肥満である問題点って?

そもそも肥満の何が問題なのでしょうか。。。? 

肥満の成人は、糖尿病などの慢性疾患にかかるリスクがより高く、平均余命も短くなります。

INSPによると糖尿病患者数はメキシコ国内で860万人、高血圧は1,520万人いるそうです。 

また、肥満が原因で平均4.2年寿命が短くなっているというOECDの報告もあります。

市場の生産性が下がり、GDPも5.3%低くなっていて、メキシコは世界の中で最大の打撃を受けています。

もちろん健康はそうですが、国民の健康が損なわれると国の生産もおち、それは、国内総生産(GDP)を5.3%引き下げていると分析結果も出ています。

ただの健康問題ではすまなくなってしまうのですね。

 

メキシコの原因

メキシコのコーラは本当に美味しい…!メキシコの食習慣

メキシコ料理と言ったらタコス、タマレス、トルタ、トスターダス・・・これらは全て高脂肪・高カロリーです。

ちなみに頭文字が全てTのため、”ビタミンT”と揶揄されています。

また、野菜や果物はとても安いのですが、それらを食べる文化があるかというと疑問です。

低所得者の方が肥満率が高いというデータもあり、安価なファストフードやジャンクフードの消費にも原因がありそうです。 

また、加糖飲料の摂取量の多さも原因として挙げられます。

米国マサチューセッツ州のタフツ大学が2019年6月に発表した調査によると、メキシコの1人当たりの1日の清涼飲料水の摂取量は約500ミリリットル、そしてすべての年齢層で約85%が日常的に清涼飲料水を飲んでいると回答したようです。

特にコーラが大人気です。

メキシコのコンビニ(oxxoなど)の棚にはコーラしかないゾーンがあります。それだけ親しまれている商品です。

思い返すと、メキシコ人の友達に食事中にコーラを飲み始めたら「君はもうメキシコ人だね」って言われた記憶があります。

タコス

ちなみにコーラのことをメキシコでは「コカ(coca)」と呼ぶよ!

 

さらにこれは私がメキシコに行って驚いたことですが、一日5食食べたりしているんですよね。

朝起きてから朝食、10時ごろに軽食、14時ごろに昼食、17ごろに軽食、21時ごろに夕食。この食習慣ももしかしたら影響しているかもしれません。

 

やっぱり運動不足…?

20歳以上のメキシコ人の約30%は一週間の運動が150分未満だそうです。 

確かに私のメキシコ人の友達の多くは、運動する習慣がない気がします。

何人かはジムに通っている人がいますが。日本のように部活の文化はありませんし、多くの人が運動を自発的にするようなことはなさそうです。

 

長時間労働

日本は労働時間が長いと言われていますよね。

でも実はメキシコが世界で一番労働時間が長いんです!

OECDの2016年のデータでは、メキシコの年間実労働時間は2255時間です。ちなみに日本は1713時間です。

 

遺伝子

他の民族と比べてメキシコ人の肥満は遺伝的要素が高いとも言われていますが、これの真偽は定かではありません。

 

健康に過ごすために。肥満対策は何が行われているの?

問題点は多くありますが、対策ももちろん取ってきています。

以前から、生活習慣改善のキャンペーンを行ったり、低栄養価かつ高カロリー食品に課税したり、それらの食品はテレビ広告の時間帯も制限されたりしていました。

しかしあまり効果はなかったようです、、、 

そこで最近の活動として、メキシコ経済省が食品表示の規格を改訂しました。

今年の10月に施行されます。簡単な概要をここで紹介します。

  • 栄養成分の基準値引き上げ
  • 指定栄養成分が一つでも上限値以上である場合、警告表示が包装にされる
  • 警告表示のある商品の包装にキャラクターや有名人などの写真・絵を表示したり、おもちゃや割引券などのおまけを付けたりすることを禁止。

オアハカ州では子供にスナック菓子の販売禁止に!!

メキシコ,肥満

オアハカ州は肥満や糖尿病が特に深刻な地域です。

そこで、スナック菓子や炭酸飲料の子供向けの販売を禁止することをオアハカ州議会が2020年8月5日に議決しました。

この条例に違反した場合は、罰金や営業停止の処分が下されます。

オアハカの議会のこの決定を受けて、タバスコ州やメキシコシティといった他の自治体でも賛同の声が増えているようです。

ジャンクフードの販売規制はやりすぎに見えますが、逆にここまで踏み込まなければならないというのは相当深刻な状態だということがわかるかと思います。

この問題には子供に対して摂取の禁止をするよりも、親など保護者に対しての働きかけの方が重要に思えますが、そこに関しては今回のニュースでは特に触れられていません。

今後どのようにメキシコ人の健康状態が変化していくか楽しみです。

 参考:https://www.theguardian.com/food/2020/aug/06/mexico-oaxaca-sugary-drinks-junk-food-ban-children

今回この記事を書くにあたって、インスピレーションを貰ったのはこの本です!

メキシコの社会、政治、日本との関係がわかりやすく書かれています。興味のある方は是非!

 

まとめ

メキシコの肥満率は30%を超えた高い数値です。

その原因として食習慣や運動不足が挙げられます。

しかし政府もこれに対して対策をとっていて、今後改善されていく可能性もありそうですね。

DELE用に全レベルの参考書・文法書・単語帳をまとめた記事があるのでぜひこちらからご覧ください!!

メキシコについて詳しくなるための本も紹介しています。ぜひご覧ください!

メキシコ文学ランキングの記事もあるのでこちらもご覧ください!

 

参考文献

http://www.oecd.org/health/the-heavy-burden-of-obesity-67450d67-en.htm

https://spc.jst.go.jp/news/130702/topic_5_04.html

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/40a4e2abd0b54d32.html

https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/04/dc83561eeb2953d0.html

https://workstyle.ricoh.co.jp/article/workingtime.html#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9A%E3%81%AF%E3%80%81%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%BB%E8%A6%81%E5%9B%BD%E3%81%AE,%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62403970X00C20A8000000/

OECD (2020), Overweight or obese population (indicator). doi: 10.1787/86583552-en (Accessed on 11 June 2020)

国本伊代. (2019). 現代メキシコを知るための 70 章. 明石書店.

是非メヒナビの記事のシェアをお願いします!▼

メキシコで働きませんか?

スペイン語を生かしたい…。今いる環境から一歩踏み出したいと考えているあなた。是非メキシコで働きませんか?

メヒナビでは現地の求人情報をお伝えしております。お問い合わせ、紹介はすべて無料。

まずはお気軽にお問い合わせを!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です