メキシコと音楽の深い関係!音楽からメキシコという国を知ろう

NORIのめざせ!メキシコちょっとだけフリーク~第3回 メキシコで音楽と一緒に生きてみよう!~

こんにちは、NORIと申します。2001年からメキシコ中部に住んでいます。メキシコ歴ちょうど20年くらいのおじさんで、事業コンサルタントをしています。詳しくはプロフィールをご覧ください。宜しくお願い致します。

1996年~98年にグアナファトに留学し、 卒業後2001年からメキシコに住んでいます。日系自動車部品メーカー勤務の後、『メキシコに物を売りたい』『メキシコで事業をしたい』人や企業さんのお手伝いをしており、並行して公式文書の翻訳や、同時通訳もやっています。いつでも相談に乗ります。

今回ですが、テーマはずばり「音楽」です。

といっても、私は音楽マニアではありません。また一部の音楽好きの方々が好みそうな細かい話をするわけではなく、「音楽ってメキシコにいっぱいあるよね」というシンプルな感想をもうちょっと深掘りして、メキシコで勉強したり生活したりすることが、音楽を通してどのようにエンジョイできるか、という観点から、書いてみたいと思います。

人の居るところに「音楽」のない場所は無い?

10年以上前に妻と二人で決めて購入した自宅の周辺は(第2回で説明したような細かい揉め事はありますが)、日中であれば一歩外に出ると人影はまばらで、時折自家用車や団地に出入りする業者の通る音が聞こえてくる程度です。

ここから歩いて団地の入り口にあるコンビニに行ったり、車で買い物や仕事に出かけていくわけですが、メキシコのコンビニには日本のような有線放送(古いですかね)は入っていません。

が、必ずと言っていいほど店員がラジオ、或いはスマホなどで音楽やニュースを流しながら仕事をしています。

ゴキゲンな店員の場合は、歌ったり体をくねくねさせながら、お客さんが買うものをスキャンしています。お客さん側も「真面目に接客しろ」なんて勿論言わず、黙って列を作って待つのがメキシコ流です。一緒に歌うのもオッケーでしょう(笑)。

実は職場でも、「従業員が音楽を聴きながら仕事するのを許可するか?」は議論の分かれるところのようです。

日本なら、私が東京で社会人をしていた頃はゼーーーーーッタイそんなのはダメでしたし、今でもそうだと思いますが、メキシコで私が勤めた日系企業ではこれをめちゃくちゃ真剣に議論していました。

そのときの結論は「イヤホンを使って人に迷惑を掛けない音量の場合のみ許可」でした。

甘いですかね。企業によっては全部ダメにしている所もあるかと思いますが、メキシコの方々は「音がしない空間」は苦手?という印象があります。

また、歌や音楽で人の興味を引くやり方はメキシコは非常に優れていると思います。

コマーシャルなども、積極的に歌を挿入して記憶に残りやすいようにしています。

メキシコは日本に比べるとメディアに政府広報の入る率がずば抜けて高いですが、非常に印象に残りやすい作り方をしています。各政党の宣伝も同様です。

「音楽」でメキシコ・ラテンアメリカを知ろう

というわけで、メキシコでは音楽というのは非常に生活に密着しているものだと言えます。

言い換えればメキシコで音楽に親しむことによって、社会や文化の色々な側面を知ることが出来るという、とても便利なツールの一つと考えることが出来ます。

言葉もそうですが、「音楽に国境は無い」と良く言われる通り、言葉が理解できなくてもその土地の人々と仲良くなるために、音楽はとても重宝しますね。

スペイン語を学習されている方々は、メキシコで流れているお気に入りの曲の歌詞の聴き取りに是非チャレンジしてみてください。

今はインターネット上でも歌詞を見ることが出来ますし、とても良い勉強になります。ロマンチックな言い回しから、書くのが憚られるようなお下劣な内容のものまで幅広く存在します(ちなみに私は後者で、メキシコのスラング(俗語)をかなり習得しました。余り公の場では使えませんが…)。

また、日本語の場合は日本語を「母語」としている歌手は多くの場合日本出身ですが、スペイン語はメキシコ以外の多くの国々でも母語として話されており、当然ながらその音楽マーケットも巨大です。メキシコ以外の国で生まれ育ったアーティストがメキシコでブレイク(逆もあり)することもあって、こういう「外国パワー」のようなものも、メキシコの多様性に一役買っているといえます。

温故知新

「古きを温(たず)ね新しきを知る」と言いますが、メキシコに住んでいて驚くことの一つに「世代に拘らず、昔の歌をとても大事にする」というのがあります。

これはちょうど今現地法人で役員をされている世代の方々向けの話になるかと思いますが、70年代に英国・米国から日本にも大量に入ってきたロック音楽(特にハードロック、パンク、グラムなどのジャンル)は、同時期にはメキシコではラジオ・テレビで殆どかからなかったそうです。

昔は英語圏の音楽や文化に意図的に制限を掛けていた?とも疑ってしまいますが、80年代初頭になるとスペインやアルゼンチンから「ロック・エン・エスパニョール」(スペイン語のロック)がメキシコに入ってくるようになりました。

ですので、メキシコで盛り場などに行くと未だにこういう80年代の曲がかかりますが、面白いのは、そこで酒を飲んで上機嫌になって一緒に歌っている世代の幅がとても広いことで、世代ごとにカラオケで歌う曲が大抵決まっている日本との違いを強く感じることが出来ます。

これはロックに限ったことではなく、日本でも最近はよくあるみたいですが昔のアーティストの楽曲をアレンジ、カバーして歌うことは色々なジャンルを跨いで非常に普及しており、世代間の交流に一役買っているといえそうです。

是非聴いてみてください

最後に、私の拙いセレクションではありますがいくつか「メキシコで音楽に親しむならこれ!」というものを数点挙げたいと思います。

(この記事は色々な世代の方が読まれていると思うので、その点にも出来る限り配慮しているつもりです)

実際には、大昔のアーティストから最新の人たちまで、ここでは書ききれないほど色々なジャンルに亘って本当に多くの歌手・バンドがあります。言葉が分からなくでも、是非お気に入りを見つけてくださいね。

JULIETA VENEGAS (フリエタ・ベネガス)

1970年、米国カリフォルニア州でメキシコ人の両親との間に生まれる。

育ったのはメキシコ・バハカリフォルニア州。1990年代初頭に人気のあったTIJUANA NO!(ティフアナ・ノ!)というスカのバンドに参加、ボーカルを担当した後ソロデビュー。大半の曲でアコーディオンを弾きながら歌う一方、曲調はポップなものからオルタナティブな感じのものまで非常に多彩。

メキシコ内外の著名なアーティストとのコラボを行う一方、2009年にはユニセフの親善大使も歴任。

代表曲 “De Mis Pasos”(1997)、”Andar Conmigo”(2003)、”Me Voy”(2006)

公式サイト www.julietavenegas.net

MARCO ANTONIO SOLÍS(マルコ・アントニオ・ソリス)

1959年ミチョアカン州生まれ。

1970年から歌手として活動し、1975年にLos  Bukis(ロス・ブキス…メキシコ北部方言で「子供たち」の意)を組む。いわゆるGrupera(グルペーラ)という大衆歌謡のジャンルで好評を博した6人編成のバンドで、マルコはボーカル及びギターを担当し、メキシコのみならず中米、南米でもヒットメーカーとなる。

1996年にソロデビュー。メキシコ映画Y Tu Mamá También(邦題『天国の口、終りの楽園。』)の挿入歌となった”Si No Te Hubieras Ido”が大ヒットとなる。

40年というロングランの中で、20枚以上のアルバムを発表している。

公式サイト www.marcoantoniosolis.com

代表曲 “Si No Te Hubieras Ido”(2003)、”Sigue Sin Mí”(2000)、”El Perdedor”(2013)

NATALIA LAFOURCADE (ナタリア・ラフォルカーデ)

Vocalist Natalia Lafourcade’s new album is called Musas

1984年メキシコシティ生まれ、ミュージシャンの両親の下ベラクルス州で育つ。

14歳でバンド活動を始め、16歳で作曲をスタート。

17歳(2002年)のデビューアルバムNatalia Lafourcade(邦盤が発売されたタイトルはなぜか『メキシコからこにゃにゃちわ』)が、ラテングラミー新人部門にノミネートされる。

ロック色の強い初期の曲から、近年はフォーク、ジャズやメキシコ伝統音楽のエッセンスも取り込む。

映画『リメンバー・ミー』のスペイン語版”Coco”のテーマソングを担当。

社会奉仕活動にも注力し、メキシコ内外のチャリティーコンサートや、国連高等難民弁護団(UNHCR)の活動にも参加している。

代表曲 “En el 2000”(2002)、”Tú sabes quererme”(2017)、”Lo que construimos”(2015)

公式サイト www.lafourcade.com.mx

CAFÉ TACVBA(カフェ・タクーバ)

1989年にメキシコシティのコヨアカン地区で結成。

1994年の2ndアルバム”Re”でブレイクした後、30年近くに亘って色々なジャンルを跨ぐ多彩なオリジナル曲作りの他、メキシコの過去のアーティストのヒット曲も多くカバーし、長期間メキシコの音楽シーンを代表するグループとなっている。

アルバム発売ごとにメンバーが異なる名前を名乗ったり、奇抜な風貌でもよく知られている。

代表曲 “La Ingrata”(1994)、”Como Te Extraño Mi Amor”(1997)、”Eres”(2004)

公式サイト tacvba.com.mx

では、また来月も宜しくお願い致します。NORI

提供:grupo prodensa

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Nori
メキシコ事業コンサルタントです。 1996年~98年にグアナファトに留学し、 卒業後2001年からメキシコに住んでいるおじさんです。 以前、現地日系自動車部品メーカーで延べ12年働きました。 妻はメキシコ人です。 歳なのでトルティージャも米も最近は控え気味です。 何かご相談があれば、いつでもどうぞ。