こんにちは。あなたの会社のメキシコ事業を応援する企業、プロデンサの川村と申します。
私は、2001年からメキシコに在住しています。また、今のお仕事の前は、日系企業でのべ12年勤務した経験もあります。
ささやかながら、私の経験が日本とメキシコの良き橋渡しになってくれればと思います。宜しくお願い致します。
さて、以前は「メキシコ!ちょっとだけフリーク」というタイトルで、メキシコ生活に関するコツやポイントを6回に亘って説明しました。
今回は3回目ですが、ビジネスや生活スタイルの視点から、「世代」を超えた付き合いからどのようなメリットが見いだせるか、また、メキシコでは比較的若い「ミレニアル」「センテニアル」世代が、どのように仕事や生活を捉えているのかについて、
もうおじさん?の私自身をインスパイアする気持ちも込めて、書いてみたいと思います。
「ミレニアル」「センテニアル」って、そもそも何?
まずは、今回のキーワードであるこの二つの単語について、どういう意味なのか「おさらい」をすることにしましょう。
日本でも「団塊ジュニア」などという言葉がありますが、「ミレニアル」「センテニアル」ともに、ここでは「ある特定の世代」を表す言葉です。
使われているメディアによって少しずつ定義が異なっているのですが、ここでは以下レポートで用いられている定義を用いたいと思います。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/ec095202b7547790/ny201810.pdf
(https://toyokeizai.net/articles/-/89883)
「ミレニアル世代」は、1981~96年までに生まれた人、それ以降生まれの人を「センテニアル世代」(あるいは「Z世代」)と呼ぶそうです。
また、こうした呼び名は通常、米国生まれであることが多いのですが、メキシコ、特にビジネス環境ではこのような呼び名をほぼそのまま流用していることが多いため、このメヒナビでも便宜上、同じ定義を用いることにします。
さて、メキシコに「ミレニアル」「センテニアル」は、どれくらいいるのでしょうか。
メキシコの国立地理統計局(INEGI)のデータを見てみると、メキシコ全体の人口(約125億32万人、2018年統計)に対し、「ミレニアル」に相当する世代は13.6%(約1,704万人)、「センテニアル」に相当する世代(18歳~23歳とします)は8.9%(同1,115万人)となっています。
▼メキシコの人口についての記事はこちらから▼
ミレニアル・センテニアルは仕事・生活に変化を起こす原動力
さて全体の人口のうち、経済活動に大きく関わっている人口(経済活動人口…主として15歳~64歳。メキシコでは約4,000万人)で見ると、すでにそのおよそ70%はミレニアルもしくはセンテニアルとなっており、まさにメキシコでの経済活動や生活全般の主軸を占めていると言えます。
とりわけ、メジアン(統計上中位)年齢が27歳(同INEGI統計。なお、日本は48.9歳)という、日本からみればまだまだ「若者の国」と言えるメキシコでは、若年層の行動・思考が、社会の各方面に大きく影響を及ぼしうるといっても良いでしょう。
我々プロデンサでは、こうした世代が働き方、あるいは企業全体に及ぼす影響として、以下のようなものを考えています。
ちなみに、我々は働き甲斐のある企業を評価するグレート・プレイス・トゥ・ワーク・インスティテュートから、メキシコのミレニアル世代に最も評価されている企業として表彰を受けた実績があります
テクノロジー
この社会をリードする世代たちにとっては、電子メールなど「過去の遺物」と言えるでしょう。「LINE」「WhatsApp」等の対話アプリを用いて、メッセージだけでなく写真や動画を送ったほうが、スピーディーにコミュニケーションが進むことは、もう皆さんも体感済のはず。
また、ファイルもメールに添付して送るのではなく、クラウドに保存されているものを皆で共有、編集することも一般的に。
こうした「メリットを得られるスピード感」が、大変重要になっていると言えます。
コネクティビティ
仕事の内外にかかわらず、今は「いつもつながっていること」というのが、大変重要になっています。
またソーシャルメディアなどを用い、より多くの人、物とつながっていくことで、個人そして企業の知名度はこれまでに見られなかったような速度で、広がっていきます。ただ、これは良い面だけでなく悪い面でもものすごい速度で広がってしまいますので、どのようにすればより良い「つながり方」が出来るのかを考えるのが、これからの時代には必要です。
明確なタスクや目標、メリット、モチベーションとリーダーシップ
価値観が今まで以上に多様化している世代では、今まで以上により具体的な目標や、またそれを達成することによって得られるメリットは何かを、明確に意識したがる傾向があります。
そして、この目標達成を、既存の仕事の仕方ではできなかったやり方で達成していくポテンシャルを持っています。この傾向は、企業にとっては若い世代が企業を内側から変革していくための、とても有用なツールということが出来るでしょう。
メキシコのミレニアル・センテニアルは今!
私は仕事、プライベートの両面でメキシコのミレニアル・センテニアル両方の世代と、良く話をする機会があります。
まずこれは世界共通だと思いますが、携帯電話(スマホ)を手離すことがほとんどないこと。私が子供の頃、電話というのは「話」をするときだけ受話器(これも、いずれ死語になりそうですね)を外すものでしたが、スマホの用途は通話ではなく、メッセージのやり取り、ビデオ、動画を見る、写真を撮ってそれをアップロードするなど多彩に利用しています。
先日、知り合いのメキシコ人ミレニアル・センテニアル合わせて25人にアンケートを取ったところ、よく使うアプリの上位5つは以下のようなものでした。
- Facebook Messenger
- Snapchat
当然、メキシコのこうした世代が成長していくのに直面している、課題もそれなりに存在するかと思います。例えば、
- 都市部では電子決済が出来る場所が増えている一方で、都市部から離れると商店でクレジットカードすら使えないことがある
- ネットバンキング、商品購入などではオンライン化がかなり進んだとは言え、各種手続き、許認可申請などではいまだに「紙」にたくさんサインをさせられる。また、そのために物理的に移動したり、窓口に並んだりせねばならない
- メキシコ社会は伝統的に「トップダウン」(上から下)に指示するものであり、若い世代の意見ややり方を取り込むためには、上の世代の理解が大変重要である
とはいえ、グローバルなこの世の中ではメキシコの若い世代も「居場所」にこだわることなく、世界で活躍するポテンシャルを十二分に持っていると思います。
おわりに
世の中、新型コロナウイルス騒ぎでまあ大変なことになっているわけですが、ビジネスの観点からいうと、こうした社会を揺るがす現象が、思わぬビジネスチャンスにつながっていくとも言えます。
そうした中で、ミレニアル・センテニアル世代のクリエイティブな発想を汲み取り、まさに企業がこの時代を生き残っていくための原動力として頂ければと思います。
そうした発想の一つ一つが、メキシコでも先に挙げたような課題を少しずつ解決していき、国全体の競争力を高めていくことにつながるのでしょう。
我々プロデンサでは、そんなメキシコにて事業を行ったり、メキシコに向けて輸出販売するための代理店探しをしたい、という企業さんのお手伝いをすることが出来ます。
「メキシコで物やサービスを販売してみたい」という方、「メキシコで製造を行うための事業設立や、業務提携などについて知りたい」という方、是非私宛(nkawamura@prodensa.com)連絡を頂ければと思います。
では、また次回もよろしくお願いいたします。
1996年~98年にグアナファトに留学し、 卒業後2001年からメキシコに住んでいます。日系自動車部品メーカー勤務の後、『メキシコに物を売りたい』『メキシコで事業をしたい』人や企業さんのお手伝いをしており、並行して公式文書の翻訳や、同時通訳もやっています。いつでも相談に乗ります。