メキシコシティの治安に気を付けてメキシコ滞在を楽しんで!
スペインの植民地時代の面影を色濃く残し、アステカ帝国の旧跡と近代的なアートや建築物が融合する中南米屈指の大都市メキシコシティ。
メキシコと聞くと、危険というイメージが付きがちですよね。メキシコというと麻薬カルテルや殺人事件など危険なイメージがつきまとってしまいます。
それによって素敵なメキシコを知らずに旅行を諦めてしまうこともある…のではないでしょうか?
しかし、どれくらい危ないのか、何に気を付ければ無事にメキシコ滞在を楽しめるのかご存知ですか?実際の状況が分からない故、よくメキシコを知らないままイメージだけで悪い印象を持ってしまい、せっかくの機会を失ってしまっていないでしょうか?ある種のルールがあって、そのルールを忠実に守れば犯罪に合うリスクはかなり軽減できます。
今回は、治安対策についてメキシコ人から気を付ける事を聞いてきましたので、メキシコシティの治安と観光客だからこそしたい安全対策について解説していきたいと思います。
そもそもメキシコの実際の治安とは
メキシコの実際の治安はどうなのでしょうか?最初に結論から申しますと、メキシコシティにおいては日本に比べたら確かに危険です。殺人や強盗など多くの事件が起きています。
しかしそれは日本を軸に考えているからこそ。そして、実は観光客が命を狙われたり、誘拐されるような深刻な事態になる可能性は低い国です。注意していただきたいのは都市や地区によるということを忘れないでくださいね。
そもそも、メキシコの治安が悪化していると言われている所以は何なのでしょうか?
メキシコ治安悪化の原因1:麻薬事情
「メキシコの麻薬組織抗争」。おそらく誰もが聞いたことのある言葉、そしてメキシコに対するイメージの一つであることでしょう。現在メキシコ政府は観光立国を目指し、治安の改善に力を入れていますが、残念ながら、警察も麻薬組織が関係する殺人や事件には対応しきれていません。。
日本のニュースでメキシコが出てくると、Youtuberが殺された、など、はメキシコの犯罪事件ばかりが報告されていますよね。
しかし、旅行客はこれに出くわすことはほとんどないでしょう。メキシコには表の人間と裏の人間がいます。基本的には麻薬組織同士の抗争、つまり裏の世界での話なので、観光客が巻き込まれるという可能性は低いですが、町などでたまに一般市民が銃撃事件に巻き込まれてしまったりすることもあり得ますので警戒は怠らないように。
観光客が出会うとしたら路上での売人でしょうか?
路上で麻薬を売る売人や売春組織のバックには麻薬組織がいる可能性が大です。ていうかほとんどそうです。ですので、身を守るためには裏世界との接触は避けましょう。
ちなみに日本人は海外でも麻薬の使用と所持は禁止されています。ですので、海外だから罪に問われない!と思うのは間違いです。
メキシコ治安悪化の原因2:警察の腐敗
治安悪化の原因二つ目は警察組織が地方では十分に機能していないということ。
日本で警察官と言ったら皆さんどのようなイメージでしょうか?いわゆる警察は聖職と呼ばれていましたね。市民に愛され、市民を守るヒーロー、といったイメージでしょうか。
一方メキシコの警察はどうでしょう。メキシコシティの警察、連邦警察はたしかにそうなのですが、一歩外れてしまうとメキシコ郊外の警察事情はそうではないと言います。つまり、メキシコでの警察は、就職できなかった人がしかたなくなる仕事の一つ…。とも言われています。
一生懸命働く人もいますが、そうではない人がいるのも事実。
観光客に難癖をつけてお金をたかる人がいるのも事実。
だからメキシコの警察に賄賂を要求された、とか聞くんですよね。
まずは警察組織を何とかしてくれないでしょうか?観光客が被害にあう確率、意外と警察ってありますよ、実際。
メキシコ治安悪化の原因3:経済格差
官の事情を話したので今度は民の事情を検証してみましょう。メキシコのGDPは世界で14位、意外と高いんです。人口も多いし国土も広い。アメリカの南に位置し、気候は豊か。メキシコって、豊かな国になれる可能性を大に秘めた国なんです。
しかし実情はどうでしょう。豊かな人と貧しい人の差が大きすぎます。資本主義の格差社会を見事に体現している国なのです。
しかし根本はもっと深いところにあります。
メキシコではスペインの植民されて以来、「支配される側」と「支配する側」の二つに分かれていました。今でもこの構図は少なからず影響を与えていると言います。
もちろん支配される側は上に登ろうとする。
まず簡単にお金を手に入れる方法は何でしょうか?スリ、盗難です。
誰をターゲットにしましょうか?慣れているメキシコ人?それとも地図を片手に大荷物を持ったアジア人?もちろん後者でしょう。
経済格差故の治安悪化、大きな国が抱える問題です。
メキシコ治安悪化の原因4:行き過ぎたデモ
メキシコでは頻繁にデモが起こります。最近でいいますと、3/8に国際女性の日のデモが起こりました。女性に対する殺人事件が多いことを受け、3/8に女性は家から一歩も出ない、仕事をしないデモを実施。多くの行進が行われました。そこで何が起きたでしょうか?
多くの店の窓を割り、スプレーで落書き。それに反抗した男性側が同じことを。。
悪循環ですよね。
メキシコでデモ、主張することはいいことですが、一度頭に火がついてしまうと止まることを知らないこの国民性。熱い国ですが、これはマイナス面かもしれませんね。
メキシコで犯罪に巻き込まれないための治安対策
それでは、実際どのようなことに気を付けなければいけないのでしょうか。旅行者が気を付けなければならない犯罪は、スリ、ひったくり、置き引きなどです。これらの被害は荷物をしっかりと身に着け、手放さないようすることで防げます。
地下鉄ではスリに気を付ける
メキシコシティの地下鉄ではスリが発生します。特に気を付けたいのは「hora pico」と呼ばれる通勤ラッシュの時間帯。非常に電車が混み合い、そのような混雑の中でポケットに入れている携帯やリュックが開けられてしまい盗まれてしまいます。
スリの被害に遭わないために、
- ラッシュの時間は乗車を避ける
- 混雑していたらスリが発生するかもしれないと警戒する
- ポケットにものは入れない
等気を付けましょう。
今まで観光客が特にスリにあったのはメキシコシティ歴史地区にあるHidalgo駅にて。ここにはスリを狙う人が常にいるとの話も聞きますので、メトロの乗り換えの際は特に気を付けましょう。
長距離バスは街に止まらない一級品を!
長距離バスやタクシーでの強盗は頻繁に起こっているので、注意が必要です。
メキシコのバスにはランクがあります。メキシコの市民が使うものは、都市間の中でも特に街など寄るタイプのもの。大都市間の移動の際は、小さい街は経由しない長距離バスが好ましいです。目的地まで途中停車しないある程度値段の高い一等バスを選びましょう。
また、滅多にありませんがそれでも強盗に遭遇してしまった場合、携帯やお金等は抵抗しないで渡しましょう。
過去にコロンビアで日本人が殺されてしまった事件もありました。あれはスリを働かれた後、追いかけてその人を馬乗りになった殴ろうとしたところ、後ろから撃たれて即死だったそうです。
流しのタクシーよりUberを使おう!
観光客は流しのタクシー(libreと呼ばれています)を利用せずに、Uberを使うようにしましょう。
今まではシティオなども無線タクシーで活躍していましたが、最近ではほとんど見かけません。
どうしてもメキシコシティ中心部で流しのタクシーを利用する場合は、事前に料金を聞いてもいいかもしれません。値段は距離にもよりますが、観光客が移動する距離を考慮すると、100ペソを超えたらぼったくられていると思って良いでしょう。
Uberはそれくらいの値段がしますが日本人の感覚からしたらそれでも安いのでUberを使って良いでしょう。
出発地と到着地を指定できて料金も前もってわかりますので便利ですよ!確かに公共の乗り物より料金はかすみますが、数百円〜千円くらいの差。メキシコではお金で買える安全はけちらずに買える安全は買ってしまいましょう!
レストランでは貴重品は肌から離さない
皆さんはレストランなどで食事をする時、携帯を机の上に置いたり、鞄を椅子に掛けたりしていませんか?
これ、とっても危険ですよ!
日本ではよく見る光景でも、これはメキシコでは一発アウトです。また、トイレに行くために席を離す時も同じ。カフェだから大丈夫だろうと席をキープするためにカバンやパソコンを置いておいて、帰ってきたら盗まれている、なんてよくある事。
荷物は常に自分の手元や肌につけておくことは基本中の基本です!
細い路地には入らない
こちらも気を付けましょう。メキシコシティのような大通りでも、一本裏道に入ればマリファナの匂いが充満している、なんてよくあります。
目的地により早く着くためにショートカットをしたい気持ちは分かりますが、しっかりそこの雰囲気を感じとるようにしましょう。
ポイントは、鼻にツンとするような匂いがしないか、壁になって携帯等をみている人がいないか、通路に明かりはあるか、ほかに通行している人がいるかどうか、です。
腕時計、アクセサリーは身に着けない
こちらもメキシコシティで多く寄せられている犯罪の一つ。特にネックレスやピアス、イヤリングは注意が必要です。
ピアス?と思うかもしれませんが、ピアスも金品です。メキシコ人も皆ピアスはつけていますので過敏にならなくて良いですが、ダイヤモンドがついたものやリングのものは避けましょう。とられやすいです。
特に信号待ちの時など周りに人がいるからと油断している時に、襲われたなんてことも聞きますので、身に付けるものには気を付けましょう。
場所にふさわしい格好を
メキシコでは、その場所にふさわしい格好をすることが求められます。メキシコは見た目に予想以上に厳しい国です。例えば貧しい地区に行ったときにスーツをビシッと決めて行ったら危ないのはもう想像がつくでしょう。少し治安とはズレますが、逆に半ズボンで少し高級なレストランに行こうとすると他の国よりも冷ややかな目で見られます。
メキシコではスカートは履かない、基本男女長ズボンで過ごしましょう。
iPhoneはメキシコでは裕福なステータス
iPhoneやカメラでの撮影は注意です!
メキシコではiPhoneは裕福であることを示す一種のステータスです。
fresaと呼ばれる富裕層で少し気取っている人という意味ですが、基本彼らはApple信者のようなもので、これは貴金属と同様に「自分は旅行者でお金いっぱいありますよ」と言っているのと一緒です。
これを街中でずっと出してパシャパシャ写真を撮っていたら危ないのはお分かりでしょう。携帯は必要な時に出し入れするぐらいにして、片手に持ち歩いたりしないほうが無難ですね!
ですので、メキシコで携帯を使う時は注意をしましょう。
もしiphoneを盗まれたら…って思う人は、昔使っていた携帯をメキシコに持って行って、現地のsimカードを入れるのも有効な手です。
むやみに写真撮影をしない
メキシコの低所得層が多く住むエリアでは写真を撮らないこと。そもそもあまり近寄るべきではありませんが、ローカルな日常を写真でとることは失礼にあたるし、相手が腹を立てて何かしらの報復をしてくる可能性が非常に高いです。自分がその立場ならどう思うか、客観的な視点で判断しましょう。
また、メキシコでは観光地の撮影は問題ありませんが、人に向けて写真を撮ることは控えたほうが良いです。メキシコシティでは、とてもカメラを向けられないような瞬間があります。例えば裏路地にいる人が絵になるからと写真を撮ったらもしかしたらその人は写真に映していけない人かもしれませんし、観光客のふりをした警察のスパイだと思われるかもしれません。
この、「かもしれない」という気持ちを持つことはとても大切なので忘れないようにしましょう。
メキシコで危ない時間帯は?
犯罪が起こりやすいのは夜の人通りの少なくなる時間帯です。
メキシコシティでは昼間でもすりなどの犯罪は発生していますが、一般的には暗くなってきたら周りを意識して行動しましょう。
また、メキシコでは酔っ払うのは厳禁。これが原因で警察にイチャモンつけられることもしばしば。
また、毎年年末のクリスマスシーズンになると窃盗、強盗などの犯罪が増える傾向があるので、その時期は特に気を付けましょう。
メキシコの治安情報を知るために来墨前に在メキシコ日本大使館の安全情報の確認をお勧めします。
メキシコシティの治安情報を地区別にご紹介!
長年シティーに住んでいると安全な地区とそうでない地区の見極めができてきますが、旅行者の場合、安全な地区がどこか知っておくことが大切です。
まず、基本的に観光地は安全です。観光業発展のため、観光地には多くの警察がおり、凶悪犯罪に巻き込まれるリスクは低いと言えるでしょう。しかし気を付けることはあるのでそれは十分息を付けましょう。
- メキシコシティ北部:Indios Verdes には夕方から近寄らない。
- セントロ・ソカロ周辺:比較的安全。スリに注意。
- ローマ・コンデサ周辺:比較的安全。スリに注意。
- ポランコ:他地域よりも安全だが、最近治安悪化中。
- コヨアカン:比較的安全。中心地(キヨスク)以外は夜の移動は注意。
- 大学周辺:比較的安全。夜の移動は避けること。
- 大学以南:夕方以降の移動は避けること。
- メキシコシティ東部:スリに注意。夜の移動は避ける。
メキシコシティの安全地区
歴史地区(セントロ)、ソカロ(中央広場)周辺
ソカロ広場、大聖堂(カテドラル)、国立宮殿、テンプロ・マヨール、ベジャスアルテス宮殿などがある最も有名な観光スポットです。
歴史地区は、アステカ帝国の首都、ティノチチトランがあった場所。現在のカテドラルは、アステカ帝国の時代の岩がそのまま使われています。
ポランコ地区
現代的な風貌のソマヤ美術館、ブランドショップや高級店が並ぶプレシデンテ・マサリック通りのある、ショッピングもグルメも楽しめる地区です。昔から多くの外国人や裕福なメキシコ人の住んでいる地区だけにセキュリティもしっかりしています。ポランコ地区はもともとユダヤ系が多く住んでおり、彼らの財力で街が鳴ったといわれえています。現にポランコにはユダヤ教の教会などもあります。
ソナ・ロサ地区、ローマ・コンデサ地区
レフォルマ通りはメキシコの現在の中心地。各国の大使館や会社のビルが立ち並びます。観光地でいえば人類学博物館、チャプルテペック公園、独立記念塔などがあるシティーを代表する大通りです。ビルの立ち並ぶ近代的な通りは、きれいに整備されています。
コヨアカン地区
コヨアカンはメキシコシティの南の地区。
フリーダ・カーロ博物館のあるコヨアカン地区は、週末多くの家族連れで賑わいます。レストランや飲み屋も多くあり、夜になっても治安が維持されています。
他にも、サン・アンヘル地区(メキシコシティ南部)、サンタフェ地区などは比較的安全といえます。
メキシコシティー、安全度が低い地区
続いて、特に危険な場所をお伝えします。普通、観光するコースではない場所ですが、知っていて損はありません。このような地区に入ったら、無法地帯です。警察の手も入らず、麻薬カルテルやマフィアの巣窟ですので気を付けましょう。
テピート
テピートはメキシコシティで一番危険な場所と言われています。どれくらい危険かというと、地元のメキシコ人もよらないほど。大の男でも一人では行きません。それほど危ないといわれている場所です。テピートはソカロから北に約1キロほど進んだ場所にあり、歴史地区(セントロ)と隣り合った場所にあり、日中は路上マーケットなどがあります。
しかしその商品はほとんどが盗品。ブランド物の偽造品。薬物。銃。世のありとあらゆる悪が詰まっています。テピートの奥?にはさらに裏のテピートがあり、そこではもっと裏のものが売買されている…なんてうわさもあります。
大切なのは近寄らないことです。気を付けましょう。
セントロ付近はほかにも注意!
セントロではメルセー周辺も治安が良くありません。ここら辺は市場とかがごっちゃになっておりスリが頻発しています。観光としては見るものはあまりないのでよることはないです。市場が見たいのであればほかの地区に行ってみましょう。
お勧めの市場はメキシコシティ南部、UNAM(メキシコ国立自治大学)付近で行われる土曜日の朝市とお土産でしたらシウダデラ市場がおすすめです。
メキシコシティ南部
UNAM以南も危険とされています。基本郊外は所得の低い人たちが住む場所で、あまりいい環境とは言えません。昼の移動は問題ないですが、明かりのないところでは行動に気を付けましょう。
イスタパラパ
イスタパラパ(Iztapalapa)という地区もテピート並みに危険です。メキシコシティ国際空港の南に位置する地域で、殺人、強盗、麻薬、誘拐など犯罪率がとても高く、スラム街も存在し、低所得者が多く住む地域もあります。夜はそもそも外に出ることができません。イスタパラパは麻薬カルテルがいる地区で、日没とともに危険度がグンと増すエリアです。日中であっても、町の人の様子から見て少しほかの地区と異なるのが分かります。
このイスタパラパの付近で停車する地下鉄駅は多いので、地下鉄を利用する際は注意が必要。その周辺の駅では乗り降りしないようにしよう。イメージは、メトロ二号線の外は危ない、という感じです。
最後に
いかがでしたでしょうか?メキシコには危ないところもありますが、安全なところもあります。上で述べたことに気を付けて素敵なメキシコ滞在を楽しんでください!