メキシコ文学をいくつか紹介してきましたが、その第三弾です!
今回はメキシコで一番有名な詩人であるオクタビオ・パスの著書『孤独の迷宮』を紹介していきたいと思います!
- 新しい本を探している
- 読書が好き
- メキシコ文学に興味がある
- スペイン語で本を読んでみたい
- メキシコ人の特性を知りたい
オクタビオ・パス Octavio Paz
オクタビオ・パスは現代メキシコを代表する詩人で、文明評論家でもあります。
1914年にメキシコシティで生まれ、19歳で『野生の月』(Luna silvestre)を出版しました。
その後スペインに渡り、「反ファシズム文筆家会議」に出席し、1944年にアメリカにも渡り、詩について勉強をしました。
1946年から外交官としてフランス、インド、スイスに駐在しました。
メキシコオリンピックが開催された1968年にトラテロルコ事件が起き、政府に抗議してインド大使を辞任したという話はとても有名です。
パスはメキシコの外の世界を知っているからこそ、この本に書かれているようなメキシコ人に対する視点を持ち合わせているのだと私は感じました。
『孤独の迷宮』 El laberinto de la soledad (1950年)
この本は小説ではなく、エッセーです。
メキシコ人の特徴や性格を分析した作品であり、メキシコの文化を知る上で非常に面白い本だと思います。
日本語とスペイン語両方で読んでみたのですが、言葉の使い方が独特でとても詩的であると感じました。
そのためなかなかスラスラ読めるものではないかもしれません。
第一章は「パチュコ」(Pachuco)について書かれています。
パチュコとは、服装や言動に特徴のあるメキシコ系アメリカ人です。
パチュコの話から派生して、アメリカとメキシコの間の孤独の性質の違いも書かれています。
この章を読むともしかしたら今持っているメキシコに対するイメージが変わるかもしれません。
第二章「メキシコの仮面」では、メキシコ人がどのように他人と関係を持つか、
メキシコ人にとっての臆病者とは何か、男らしさとは何かを感じ取ることができると思います。
第三章「諸聖人、死者の日」では、メキシコ人にとっての祭りとは何か、そして死とは何かが書かれています。
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メキシコ人の特性が日本人と近い部分もあるのではないかと思いながら、第四章「マリンチェの子」まで読み進めていきました。
パス自身も、東洋人もメキシコ人同様、閉鎖的で不可解であると記述しています。
この章はスペイン語の面白さを感じ、言語が文化と結びついていることが実感できました。
例えば、chingarという言葉からメキシコ人の特徴を分析し、「労働者」という単語一つとっても、obreroかtrabajadorかという話もありました。
第五章「征服と植民地」ではメキシコの中の西洋感はどこからきたのか、カトリックがメキシコでどのような位置付けであるかが書かれています。
第六章「独立から革命へ」では、メキシコ独立革命前後でどのような変化が見られたか、どのような意味を持っていたか、が批判的に書かれています。
歴史の出来事に加え、哲学的な話も出てきて、とても難しかったです。
メキシコ史を知っているとさらに面白いと思います。
全12章あるのでここまでで半分です。
残りはぜひ手にとって読んでみてください!
70年も前の作品で、当時の視点で描かれているものの、現代のメキシコにも通ずる物が多くあると感じました。
しかし、メキシコ人の分析の中に辛辣さも含まれていて、現代では賛否両論があるのも理解できます。
この本は非常に抽象的なことも描かれていて、読みにくいと感じる部分も多くありました。
しかし、メキシコについてさらに知ってからもう一度読み直していくことでまた新しい気付きがある、そんな本だと思っています。
全体を通して、メキシコ人は外界に対して閉じこもっているということが書かれていました。
これはもしかしたら皆さんの印象と違うのではないでしょうか。
外国はとてもオープンというイメージがある一方、メキシコに行ってスペイン語で話してみると、意外とメキシコ人はストレートではなく遠回しに表現していて、私はそこがすごい日本と近しいと思いました。
メキシコに行ったことがある人は自身の経験とすり合わせるのも面白いと思いますし、メキシコに行ったことがない人もメキシコ人に対するイメージを膨らませ、将来訪れたときに思い出してもらえればと思います。
ただしステレオタイプは持たないようにしてほしいです!
日本語版はこちら!
スペイン語版はこちら!
多分この本を読んだら、メキシコの歴史や文化について知りたくなると思います。
そんな時はメヒナビの記事をぜひ読んでいただきたいと思います。
そしてさらに詳しく知りたい場合はメキシコに関する本を読んでみてください。
あらゆる点と点が線になると思います。
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