こんにちは、ライターのゆうきです!
皆さんはメキシコではもちろんスペイン語に触れているとは思いますが、実際に習ったものと違うものはありますか?
スペイン語って国ごと違うけど具体的にどう違うのか知りたい、、、
そんなあなたに!!
今回はメキシコスペイン語の文法の特徴を紹介していきます!
Introducción a la lingüística hispánica actualという本と自分の体験を基に少し細かいところまで書こうと思っています。
メキシコ国内の地域差や他の差も考えると身近な人に当てはまらないものもあるかもしれませんが、あくまでもそういう傾向があるというデータをご紹介します。
メキシコ在住の方は今度現地の人と話す際に以下のことを気をつけて聞いてみると新たな発見が出来るかも知れません!
メキシコのスペイン語の文法的な特徴
さっそく文法的な特徴を見ていきます。
これらの使い方をテストですると間違いとされるものもありますので、あくまでも口語としての認識でお願いします。
Tuteo
これはよく感じると思いますが、三人称単数の usted よりも二人称単数の tú を使う傾向にあります。
tú を使ったからといって失礼なわけではなく、親近感を表現するために tú にしているそうです。
でもこの使い分けは個人によるみたいです。メキシコ人の知り合いの中には初めて会う人には絶対 usted、親の世代の人には usted を使う人もいます。
ただ傾向として tú のほうが多く使われるようですね。
二人称複数の命令形の代名詞にnを付ける
これは例を挙げたほうが分かりやすいと思います。
「お前ら出ていけ」というときに
¡Váyanse! というのを文法的に習います。
しかし ¡Váyansen! と言ってしまうのがこの現象です。
主に教育水準の低い人たちの間で使われているようです。
直接法点過去の二人称単数形にsを付ける
decir の直接法点過去の二人称単数形はdijisteですよね。
しかしこれを dijistes という人たちがいます。
おそらく点過去以外の二人称の活用がsで終わるので、そこから来ているのかと、、、
これは実際旅行中にカンクンで聞いて驚きました!
また、なぜか最初のsが落ちて dijites と発音する人もいるみたいです。
これらも教育水準の低い人たちの間で使われているもののようです。
代名詞の明確化
代名詞を使った表現を多く使うと思いますが、例えば su や le など、
それって誰を指してるの??って思うことが少なくないはずです。
それを明確にするために
Su casa de usted や Ya se lo dije a ella.
とくどい感じにはなりますがつけるようです。
また Ya se los dije a ellos. と言ってしまうこともあるみたいです。
これはどういう現象かというと、
ellos が複数形であるのに引っ張られて lo が los になってしまいます。
本来はseが間接目的語の複数を示しているので、 Ya se lo dije a ellos. が一般的です。
接続法過去の代わりに接続法現在
一般的には主節が過去であれば従属節も過去になるので
Le dije que viniera. になりますが、
メキシコでは
Le dije que venga. と言うこともあります。
接続法現在の不使用
一般的には述語が疑い・否定の意味を持つ場合、従属節の動詞が接続法になるので
No creo que venga. になりますが、
メキシコでは
No creo que viene. と言うこともあるそうです。
強調のle
これは生活しているとよく耳にすると思います。
例えば
¡ándale!, ¡híjole!, ¡pásale! などです。
私は初めてこれを聞いたときにleに凄い違和感を感じていました。
このle自体に意味はなく、強調の役割みたいです。
ándale等の使い方はとても多様なので気になる方は調べてみてください!
増大辞 -ote, -ota, -azo
大きさ、強さ、軽蔑を表現するときにこれらの増大辞を使います。
例えば libro<librote は「大きな本、つまらない本」といった意味があります。
他には golpe<golpazo は「強打、激しい衝突」といった意味になります。
他にもたくさんあるので探してみてください!
縮小辞 -ito, -ita
名詞や副詞だけでなく現在分詞にも付きます。
corriendito などです。
一番よく聞くのは ahorita ではないでしょうか。
私がメキシコに行って最初の方に、
ahorita は「今」って意味と「後で」って意味があるというのを教えられました。
昼間に会って、また夜会う予定があるとき
Ahorita nos vemos. といわれて
「いや、今じゃないでしょ」みたいなこと言ったら笑われました。
また、コロンビア人やアルゼンチン人と話していて
自分がahoritaなどの言葉を使ったりすると
(もしかしたら発音のせいかもしれませんが)
すぐにメキシコに留学していたとバレてしまいます、、、
それくらい他の国にも認知されているのでしょうか。
接頭辞 re- が最上級を表す
reが形容詞や副詞の語頭に付きます。
例えば、
rebiénは「とてもよく、申し分なく」
rebonito「とてもすばらしい、とても美しい」
になります。
hastaを始点にする
これは
El semestre no empieza hasta el 15 de agosto. もしくは
El semestre empieza a partir del 15 de agosto. のことを
El semestre empieza hasta el 15 de agosto. と表現します。
hastaの使い方としてはなじみがないものなので
最初は戸惑うかもしれません。
haberの複数形化
「~がある」の意味のhaberは主語が複数でも絶対単数形で活用すると習うと思います。
しかし複数形で使ってしまう人もいるようです。
Había unas sillas. が
Habían unas sillas.
のように使われます。
これはメキシコだけではなく広く使われているようです。
尊敬のle
代表的なのは
¿Le acompaño? という表現です。
教科書的には直接目的語が三人称単数であればloもしくはlaになります。
しかし敬意を示すためにleを使う人もいるようです。
enの代わりにa
例えばmeter(se)では場所を示す前にenが来るはずですが、
La ropa se mete al armario.
のようにaを使うこともあります。
メキシコでよく聞くスパングリッシュ(Spanglish)
スパングリッシュ(spanglish)とは何かご存知ですか?スパングリッシュはスペイン語と英語の混成言語。映画の「スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと 」にも出てきましたね。主にメキシコ中北部とアメリカ南部で話されています。スパングリッシュを話すのはヒスパニック。
そんなスパングリッシュの記事をまとめてみました。
ぜひご覧ください!
まとめ
いかがだったでしょうか。
同じスペイン語でもバリエーションはたくさんあって面白いですね!
ぜひメキシコ人と話す際には気を付けて聞いてみてください!
もしかしたら他の特徴も見つけることが出来るかもしれませんね!
スペイン語の全レベルの参考書・文法書・単語帳をまとめた記事があるのでぜひこちらからご覧ください!!
メキシコ文学ランキングの記事もあるのでこちらもご覧ください!
今度発音や単語についても触れていきたいと思っているので楽しみにしていてください!
参考文献
Muñoz-Basols, Javier, Nina Moreno, Inma Taboada & Manel Lacorte (2017) Introducción a la lingüística hispánica actual, New York: Routledge.
スペイン語の文法を一通り知っている体で話を進めていくよ。少し難しいかもしれないけど付いてきてね!